君と (ページ16)

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大嫌いページ16

あの後、原田主任は私をいつもより荒々しく抱いた。
そんな彼に愛しさは募る一方。

もしかして、嫉妬してくれた？
男の人と電話をしていたことに。

もしかしたらって、期待してしまう。
あなたの1番になれる？
あの噂はただの噂かもしれない。

淡い期待を抱いた私に原田主任は言った。

『来月、結納する』

結納。

噂は本当だったんだ。

「おめでとうございます。これから忙しくなりますね、結婚式はいつですか？」

何も感じていないふりをするのに必死な私。

『来年の2月』

原田主任はそう言って身支度を始めた。

『泊まっていくんだろ？また明日な』

その大きな手で私の頭を撫で、原田主任は部屋を出ていった。

ベッドに取り残された私。

行かないで。
そばにいて。

On my own

頭の中で曲が再生される。

いつかこんな日が来ることはわかっていた。
この関係を、早く終わらせなきゃいけないこともわかっている。

でも気持ちが追いつかない。
まだ一緒にいたい。

弱くて、ずるい私。
こんな自分、大嫌い。