7色の後ろ側 9《赤》

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いざ口にしたら、私の本音はいとも簡単にするんと零れ落ちた。


私、大毅の側にいたいんだ。


未来の事なんてわからないって思っていたけど。
今日も明日も大毅の事が好きで、大毅の側にいたいって思うんだろう。
それが毎日続くなら、それが私の未来に望むものなんだ。



母「スッキリした顔しとるね」


大毅のお母さんがそう言いながら優しく笑う。


「...お母さんに話したら、スッキリしちゃいました」


胸につかえていたモノがなくなって、体が軽くなるような感覚はそれは気持ちが良くて。
さっきまで居心地が悪く感じていた大毅の物で溢れる部屋に、今度は心がほっこり暖かくなる。


母「気持ちが楽になったなら、今度は体を楽にしたらなあかんね！」


お母さんは勢いよく立ち上がると両手を軽く叩いてニヤリと私を見た。
その笑顔が大毅に似てる事。

そんな笑顔見せられたら、つられてこっちまで笑顔になるに決まってる。








side 重岡

約2時間のフライト。
大阪着いてすぐスマホ見たらまたおかんからラインきとって。


重「ほんま何なん...？」


今度はAとおかんが楽しそうに足湯しとる。


母『見てこれ！インスタ映えやろ？』


って今度はどでかいカキ氷食べとるおかんの写メが送られてくる。

つい足が止まる俺に気づいた小瀧が後ろからスマホを覗き込んでくる。


望「何これ？Aしげのおかんとおんの！？」

美「望うるさい」

望「すんません」


ほんでこいつ声デカいもんやから美和さんに怒られとる。アホや。
やけどそのまま俺をギロリと睨むもんやから、俺もスマホしまって早足で皆の後に続いた。

ジャニーさんに言うた事伝えてから、美和さんはたぶん、いや絶対、すげー怒っとる。
仕事上は普通やけど、不意に背後に般若が見える。


そりゃ、黙っとけ言われてたAとの関係もバラして、挙句Aと別れる言うてるんやからそんな態度取られても仕方ないんやけど。


ズボンの中でまたスマホが震えて。
歩きながら内容を確認した。


母『大毅はこっちのが嬉しいんちゃう？』


そんな文章に添えられてんのはさっきおかんが食うてたカキ氷を食っとるAで。
気ぃ抜けた、幸せそうな顔しとる。


重「っ、くそ」


Aの事考えたら、俺が離れて、Aは事務所に残るんが1番ええ。
それが1番Aの事守れるはずなんや。
やけどこんな写メ1枚で簡単に気持ちが揺らいでまう。

俺がめっちゃ好きなAの笑顔。
俺にはもう長い事、その笑顔が向けられてへん気がして。


離れたくない、側におってほしい。
...やけどもう、傷つけたくない。

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