7色の後ろ側 9《赤》

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ツアー中はずっと袖か控室で見ていたから、ライブ参加経験のない私はこの位置から皆を見るのが初めてで。

つい声が出ちゃうもんだから、慌ててこっちのマイクをミュートにした。

皆本当にキラキラしていて、かっこよくって、面白くって。


とりあえず退職した身だし、ファンクラブ入る事はできるよね、なんて考える。


向こうからはこっちが見えないはずなのに、近くに来ると皆スマホのカメラに向かってファンサしてくれて。

ファンサが少ないと話題の大毅の指差しも頂きました。
はい。私の恋人すごくカッコいいです。


パラパラチャーハンではスタッフさん総出で踊り出して。
メンバーがどれだけ愛されているのか伝わってくる。
こんなの、絶対望泣いてる。



最後の方で、マイクを持ったのは大毅で。


重『ジャスミンがおってくれたら俺らいつまでも走ってられるわ。
心配かけてごめんな、心配してくれてありがとうな。
こんな何でもない俺をさぁ、そんなにな？想ってくれて。

つか、自分らその団扇なんやねん。
今日の為に忙しい中作ったん？アホちゃう？

お前らほんまなんやねんっ...愛してるぜぇぇえ！』

『キャーーー！！！』


ツイッターを覗いて知ってはいた。
ファンの方達が大毅へメッセージ団扇を作ってる事。

ここからその文字は見えないけど、きっと本当にたくさんの人が用意してくれていたんだろう。


そのままアンコールまで走り抜いて、ファンの方達に惜しまれながらツアーファイナルは無事終わった。




熊『本当にさ、先が楽しみなグループだと思うよ』


カメラが切られると同時に聞こえた熊谷さんの言葉に胸が熱くなる。


「私も本当に、そう思います。
...これから彼らにもっと活躍の場を与えてあげてください。
よろしくお願いします。」

熊『おう、任せといて。
まだ時間平気？皆話したいと思うから』

「いや、疲れてると思うので...」


そう言いながら、遠くで聞こえる賑やかな声に、期待している私がいて。


望『繋がっとる！？イエーーーイ！ファイナル終わったでー！
はい、濱ちゃん！感想をどうぞ』

濱『感無量、ですっ！』

藤『何？A？』

神『スピーカーにせな聞こえへん』

桐『Aー！楽しめたかぁ！？』

中『ちゃんと無事にやりきったからな』


ちょっと離れただけで懐かしく感じる皆の声が聞こえて、またカメラが起動した。

汗だくの皆が手を振ってる。


「お疲れ様、皆かっこよかったよ」


最後に大毅が走ってきて、望に腕を回しながらこれでもかって手を振ってくる。


重『ライブ最高やで！！』


それ、充分伝わってきたよ。

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