7色の後ろ側 8《赤》

32 ページ32

side 中間


「...っう、ず、ぅあっ...っおつか、れ、」

中「え、は！？」

桐「えぇ！？(笑)」

藤「待ってや、何でAこない泣いてんの！？」

美「初生ライブだからね。
頭からずっとうるうるしてたのが、ファンのアンコール聞いたらこうなったね(笑)」



年明けて3日、ついに待ちに待ったライブツアー始まって。
初っ端横浜公演は自分で言うのもあれやけど、めっちゃええ感じ。

俺はやっぱユニットがな、ジャス民皆湧いてくれたんが嬉しかった。
筋トレ頑張ってよかったわー。


俺らの熱は全然冷めんまま、パリピポ終わらせて一旦はけて。
皆が俺らの事全力で呼んでくれて叶うアンコールはほんまに嬉しくてたまらん。

美和に悪いけどあの瞬間俺はジャス民全員愛してる！って全力で思うし、それを伝えようって思って歌う。


ほんで名残惜しいけど皆にお別れしてはけて、ステージ裏歩いてたらこれよ。
A、めっちゃ泣いてんねん(笑)

すぐ後ろにおった照史と流星も驚いとる。

少ししたら濱ちゃんにおぶられてしげもきた。
おい、お前の彼女感動のあまり号泣してんで？


重「ぎゃははははは！ww
何泣いてん！めっちゃブスやん！！www」

濱「しげ！何てこと言うん！？」

「ぐっ、うぅ...！」


しげの相変わらずっぷりに濱ちゃん含め俺全員引いてんけど、ここでお前彼女に何言うねん！とも言えず。


桐「ほんまやで、Aは泣き顔ぶちゃいくなんやから笑わなあかんやろー(笑)」


照史がわざわざ新しいタオル持ってきて、Aの目元押さえるように当てた。


「あっ、くん、乗り越し、さい、こっ、ぐず」

桐「わーった。わーった。伝わっとるからとりあえず泣きやみ(笑)
スタッフさんビビるで(笑)」

「ん゛...！」


最後にきた望はそりゃもうAに飛びつく勢いやったけど、神ちゃんが服ひっぱってそれを制した。

俺らシャワー浴びるからちゃんと泣き止むんやで？って声をかけて行こーぜーとシャワー室に向かう照史を見送りながら、そろっとしげ見たらつまんなそうな顔して濱ちゃんから降りた。

そんな顔するんやったら最初から照史みたく優しくしたったらええのに...(笑)


Aが熊谷さんから俺らとの距離を注意された話は今ではメンバー全員に周知されとって、やからその辺はお互いに気をつけるようにしとる。

いうてそんな距離近いのはしげか望くらいのもんやけど。

照史はそれこそさっきみたいな距離でも変にやらしく見えへんから。
...なんて俺は思ってまうけど、しげはそうもいかんねんな。

俺はええ気味や、なんて意地悪い事思いながらシャワー室へ足を進めた。

33→←31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す