7色の後ろ側 7《赤》

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side 桐山

今日は踊り込みの日で、そんな訳でAも着替えてスタンバイ。
カメラさんが入らん日の振り入れはなるたけ参加して一緒に教えてくれとる。


「照史君柔軟ちゃんとして」

桐「おー...おぉ？
ちょいちょいちょい(笑)」

「何？」

桐「Aちゃんあんた何着てん(笑)」

「え？鮫T」


Aが着とるのはめっちゃリアルな鮫がプリントされたTシャツ。
お前そんなんどこで買うねん(笑)


望「あーーーーー！！！
A！これ見て！見て！！」


他所からうっさい声がすると思ったら濱ちゃんに抱きついて絡んでた望が濱ちゃん突き飛ばしてこっちに走ってくる。


望「ほるぁ！！！！」


そう言うて見せてきたのはペンギンTシャツ。
これまたリアルに描かれとる。


望「今日お揃やーん♡」

「何で着てくんの？」

桐「温度差えぐいな(笑)」


こんなん、しげ嫌やないんかなーと思ったけど音楽聴きながら黙々ストレッチしとる。
あらまぁ余裕やわ。
俺やったらヤキモチ妬いてまう。





side 重岡

お互い仕事する上で距離感は気をつけようって話してから、あんまAにむやみに絡まんようにしとる。

お互いにとってもメンバーにとっても大切な事やから。

やけどお揃いのTシャツて。絵柄こそちゃうけど。
お前そんなん気ぃ悪いに決まっとるやんけ。
しかも俺割と好きやし、あんなTシャツ。


藤「しげあんなん嫌にならんの？」

重「あ？」


隣にどかっと座って靴紐直し出したんは流星。
俺はイヤホンとって耳を貸す。


藤「望とAのTシャツ。あれやろ水族館行った時に買うたやつ」

重「...あっそ」


そんなん知らんし。


藤「ふは(笑)
しげ達もお揃いの買うたらええやん」

重「ペアルックなんてダサくてできへんわ」

藤「服はキツいけど他にもあるやん。
...まぁしげアクセもつけへんしな。
誕生日近いしええ機会やと思うけど」


Aはそんなん好きそうやけどなぁなんて言うてストレッチして。
いやお前ちょお待てや。


重「...は？」

藤「え？」

重「誰の誕生日？」

藤「...それ本気で言うてるん？」


俺以上に驚いた顔して俺を見る流星。
うわ、え、まじ？
やってそんなん今まで話した事あったか？


藤「前に言うてたやん。
望の誕生日後くらいにさ、俺も祝うから教えてって言うて」


全っ然覚えてへん...。

呆然とする俺にスマホのカレンダー見せてくる。
Aに気づかれんよう気遣ってくれてるんやろな。


藤「ここ、11月26日。
しげほんま、そんなんやったら即フラれんで？(笑)」


神ちゃんの集合で駆け寄る俺の背中を流星がぽんと叩いた。

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