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しばらくしたら望がごろんと横に転がった。
望「...めっちゃ泣いたわ」
「泣いたね」
望「でもなんか毒素抜けた感じするわ」
「泣くとスッキリするもんね」
望「熱も下がった気がするし」
「それは薬のおかげだよね」
望がのそっと起き上がって、水をごくごく飲む。
そのままクローゼットから綺麗に畳まれたTシャツを取り出した。
望「これに着替え。それ俺の涙と鼻水でぐっしょりや」
確かに私の着てるTシャツは肩の所が望から出た水分という水分をフルに吸収してたっぷり濡れて、少しテカってる(笑)
「もう帰るだけだし大丈夫だよ」
望「ええから着てや。俺一旦外出るから」
そう言うとベットにTシャツを置いて望は本当に寝室を出た。
「...」
袖を通した半袖のTシャツは、私にはだいぶでかい。
なんかもう、五分袖どころか七分袖。
肩幅こんなに違うんだ。
「...お借りしました」
そう言って寝室を出たら、たぶん顔を洗ったであろうタオルで顔を拭く望がいて。
望「これが彼シャツならぬ彼Tか...やっぱりええなぁ」
「君、彼じゃないからさ」
望「しげの着るより絶対俺の着た方がかわいく見えんで?」
「っは!?」
急に出たしげの名前に動揺する。
いや、望が気づいてるのはわかってたんだけど。
それでもやっぱり、さ。
望「やってしげサイズ的にMやろ?俺Lやもん。とりまあれや、ズボン脱いだら?」
「おいクソ」
望「www」
泣いて本当にスッキリしたのか、それとも無理をしてるのか、望がいつもの調子で話して笑う。
「これ、洗って返します」
望「寝巻きで使っとるやつやからそのままもらってもええよ」
「そうはいかないよ」
望の目元は赤くなっていて、なんなら鼻も赤い。
「目元も冷やさないとね」
望「やんな。保冷剤あるから使うわ」
「うん。
...それじゃ、えっと、帰るね」
着てきた服を適当に鞄に詰めて、玄関に向かう。
望「いや待ってや」
「?」
望の横を通り過ぎた所で腕を捕まれ止められた。
望「まだあかんて。俺これから寝るで?」
「うん。早く寝てください」
望「寝付くまでおって」
「は?」
え、何言い出すの?
呆然とする私を他所に望が私の鞄を奪うとそのままキッチンの上の棚にしまった。
...は?
望「はい、A届かへん。これで帰れへん。
ほんなら俺寝るな。寝室くるの嫌やったらこっちで好きに過ごしてな」
待って。全然ついていけない。
キッチンの棚を見つめる私の頭にぽんと手を置いたら、望はそのまま寝室へ消えた。
望「おやすみ」
そう一言残して。
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のら(プロフ) - むむさん» ご指摘ありがとうございます。文字化け箇所訂正したのでご確認頂ければ幸いです。 (2019年10月15日 21時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - りすさん» コメントありがとうごさいます!いろんなパターンのイチャイチャ楽しんでもらえようがんばります! (2019年10月15日 21時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - いつも楽しく拝見しております。41話が少し変なので確認してもらえませんか? (2019年10月15日 13時) (レス) id: 82f8d80357 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - しげとのイチャイチャ見れるの楽しみにしてます(^ ^) (2019年10月13日 23時) (レス) id: 60f3cc52f9 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - kittyさん» コメントありがとうございます!そしてそして、リクエストも...!作中そんな話も入れていきたいので、是非これからも覗いてみてください。 (2019年10月13日 12時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のら | 作成日時:2019年10月3日 0時