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side 重岡
Aが目の前で気ぃ失って、淳太がいろいろ言うてくれなかったら俺は何もできひんかった。
青白い顔したA見たら、怖なって、自分の体が硬くなったのがわかった。
幸いすぐに意識戻って、やけど俺らはスタッフさんに任せて収録に向かわなアカンくて。
中「しげ顔怖いで。お前は笑顔くらいしか売りないんやから!
流星やって今日は3人なんやから喋らなアカンねんで!(笑)」
淳太がいつもと変わらんトーンで俺らの背中をバシッと叩きながら言う。
普段いじり倒しとるけど、こういう時頼れる存在やなって思う。
悔しいけどかっこええ。
淳太のおかげで収録はいつも通りにできた。
やけど収録終わったら俺と流星はずっとそわそわ。
中「A、近くの病院で点滴しとるらしいわ。
疲労と貧血やって、大丈夫やからお前らそんなそわそわすんなって。
次の移動の車も美和が手配してくれとる」
重「なぁ、俺これで今日あがりやからAの所行くわ」
着替えを終わらせてそう言ったら淳太がびっくりした顔して俺の事見てきた。
なんや、文句あんのか。
藤「しげ今日ボクシング行くんちゃうの?」
流星も着替えながら聞いてくる。
重「そんなんまた別の日行けばええし。
それじゃ俺行くわ、お疲れー」
中「...おう、Aの事よろしくな」
藤「あ、待って。これ持ってったって。
Aに優しくするんやで」
そう言って流星が渡してきたのは体重計。
いやお前これ今日渡す?まぁええけど。
体重計入った袋を受け取って楽屋を出た。
スタッフさんに聞いた病院はほんまに近くて、受付でAの事聞いたらまだ点滴しとって本人に確認せんと俺は部屋に入れてもらえへんらしい。
しゃーないから院内の喫茶スペースで時間潰してたら、看護師さんが声をかけにきてくれた。
「本当にすみません」
重「くどいわ。何回言うたら気ぃ済むん?」
タクシーに乗りながらもう何度も聞いた謝罪を聞く。
重「俺やって体調崩した事くらいあるし、そんなんで迷惑とか思わへんから。
それよりここで無理される方が堪らんわ」
お前がおらんくても余裕で仕事できたし?って、心配かけんように言うたつもりやのに、A見たらちょっと寂しそうな顔しとって。
...俺こんなん上手く言えるタイプちゃうねん!
重「俺、ちょっと台詞入れたいから。ええ?」
「はい、もちろんです」
気まずくてイヤホンつけて、仕事に逃げた。
Aを腕時計をちらっと確認してから外をずっと見とる。
...Aが俺に敬語使うん、久しぶりやな。
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作者名:のら | 作成日時:2019年6月12日 1時