七十六松目 「見知らぬ人について行ってはいけません」 ページ38
『ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる』
「いってらっしゃーい」
ふう...外食なんて久しぶりだったから普段より多く食べたな...
お腹をさすりつつトイレに入ろうとした時、突然後ろから声を掛けられた。
「あっ、そこのお嬢ちゃん！」
...お嬢ちゃん？
あっ、そうか今日は髪結ってないし、フードかぶってないからよけい女子に見えるのか
『なんですか？』
後ろを振り向くとそこにいたのは、20代の男の人２人。
なんだ、また喧嘩売りに来るタイプの奴らか？なんて思い少し怪訝そうに見つめた。
「これから帰るとこなんだけど、ちょっと道に迷っててさ？
この辺の子なら少し道教えてほしいんだけど...」
申し訳なさそうにそう言う２人は悪そうな柄ではないように見えた。
いっつも声かけられるのが柄の悪い連中ばっかりだからな...
しかも頼まれごとなんてされないから少し胸がむず痒くなる。
『いいですよ。どこまで行きたいんですか？』
「んー、とりあえずここだと邪魔になるから、一回外出てもらっていいかな？」
まぁ道教えるだけだし、パっと教えてパッと帰ればいいか。
そんなに時間もかからないだろうし。
＊
「あそこからわかんないんだよね〜」
２人が前に出て歩いているので、その後ろをとぼとぼ歩く私。
ただ、一歩一歩歩くたびに不信感を抱き始めた。
...あれ
なんかおかしくないか？
道を教えるだけのはずなのに、店から遠ざかっていく気が....
おまけに気がついた時には人通りの少ない道にまで来ていた。
『あの、ちょっと歩き過ぎてる気がするんですけど....もしかして道に迷ってなかったんじゃ「んーどこから行けばいいのかなぁ」....あの！』
まったく聞く耳を持たない彼らに内心にイラッとするが、私は落ち着いて話す。
『道、聞く気ないですよね』
少し低めのトーンでそう言うと、周りの空気が静まり始める。
「........あー、ばれちゃった？」
くすくすと笑う２人を見て、私のストレスメーターがどんどん上がっていく。
『用がないんなら帰ります。』
私は、くるっと反対方向を浮いて歩きだす。
「まぁまぁそう急がないでよ、お嬢ちゃん」
そう言って、彼らは私の腕をがっと掴んだ。
七十七松目 「黙って触れば痴漢と一緒」→← 七十五松目 「天敵は身近な人でした。」
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春の黒猫(プロフ) - なめこ豆腐味噌汁さん» コメントありがとうございます＾＾応援してくださって作者は感謝感激です！これからもよろしくお願いしますね＾＾ (2018年3月18日 2時) (
レス) id: 94c170d235 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ豆腐味噌汁(プロフ) - 更新待ってました(´∀`)この作品ほんと好きです!!!!!!!!!愛してます!!!!!!!!!なので更新頑張って下さい!!!!!!!!!ほんとに!!!!!!!!!応援してます!!!!!!!!! (2018年3月4日 15時) (レス) id: c4290caa64 (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 和蘭芹さん» コメントありがとうございます！長い間更新できていなくてすみません...ただ今作成中ですので少々お待ち下さいませ！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 94c170d235 (このIDを非表示/違反報告)
和蘭芹 - めっっっちゃ良いところで切られたので雄叫びあげました(てか何ですかコレ…！文才アリアリのアリですよ！！更新ずっっと待ってます！！応援してますううううん”ん”ん”ん” (2018年2月22日 23時) (レス) id: 0bd5b50639 (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - なめこ豆腐味噌汁さん» コメントありがとうございます(^^) まさか更新をずっと待ってくださっていた方がいるとは…泣 更新もぼちぼち頑張ります( ´ ▽ ` )ﾉ (2018年1月15日 0時) (レス) id: cc81ffe234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりゅりゅ | 作成日時：2016年6月5日 1時
