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senra side
「ごめん、ほんまごめんなぁ」
目をうるうるさせた坂田がAちゃんに抱き着く。
また殴られやしないかヒヤヒヤしたけれど、彼女はされるがままだった。
「わ、わたし、頑張ってますか?役に、立ってますか」
「当たり前だろ。他のやつがなんて言おうと俺らはお前の味方だよ。Aがいるから俺達はこうやって頑張れてるんだから、そんなこと言うな」
そう言ってうらたんが乱暴Aの頭を撫でると、またボロボロと泣き出した。
「ご、ごめんなざい〜。き、嫌いなんて言って」
「あーあー、ええってええって。お前が俺らのこと大好きなんは分かってるって」
笑いながら志麻くんがAちゃんの涙を拭う。
「坂田、Aちゃんの背中ぽんぽんしたって」
「へ?」
「ええから、早く」
坂田に指示したあとキッチンに向かう。
確かここに、あぁ、あった。
「はい、どうぞ」
「せん、らさん、これ」
「ココア。好きやろ?」
「ありがと、ございます」
リビングにあったブランケットを被りふーふーとココアを冷ますAちゃんが可愛くて、思わずくすりと笑ってしまった。
「Aなんかあったかーくなってきた」
坂田の言葉に彼女の顔を見ると、目がトロンとしていた。
慌ててうらたんが彼女の手からマグカップを受け取った。
そして、
「寝たな」
ふーっと息を吐いた志麻くんが彼女の顔にかかった髪を優しく払った。
いつもより少し青白い頬には涙の跡が残っていた。
「今日はこのまま寝かすか」
「せやな。坂田、Aソファーに寝かしとき」
「え、嫌や。このままぎゅってしてたい」
「そんなんしとったら体休まらんやろ。はよ寝かし」
「ちぇー」と口を尖らせた坂田がゆっくりとAちゃんをソファーに寝かした。
子供みたいな寝顔の彼女の頬をするりと撫でる。
「おやすみ、ゆっくり寝なね」
これが俺達が彼女のために出来る精一杯。
今はどうか肩の力を抜いて、ドロドロに甘やかされて。
(さーて、俺らは片付けるか)
(.....なぁ、もちょっとAの寝顔見ててええ?)
(さんせー!)
(あかんて。志麻くん襲いそうやからさっさと離れて)
(さすがに同意がなきゃせんわ)
(同意があればやるのか、怖っ)
(ちょ、うらたさん引かんでよ!)
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まろまゆこ(プロフ) - まし@志麻リス?さん» 教えて頂きありがとうございます!修正させていただきます〜。 (2019年5月3日 8時) (レス) id: 0a41dd36db (このIDを非表示/違反報告)
まし@志麻リス?(プロフ) - すごい面白いです!!岡山弁なのですが、めっちゃ可愛ええがん!だと思います……!細かい指摘で気分を悪くされたら申し訳ございません…… (2019年5月3日 7時) (レス) id: 10de6dbefd (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - こちらこそありがとうございました!私も書いていておいて何ですが春樹くんお気に入りですww是非出させてください! (2019年5月1日 19時) (レス) id: 0a41dd36db (このIDを非表示/違反報告)
?智毅?嵐・ジャニーズwest(プロフ) - ありがとうございますした!めっちゃめちゃよかったです!そらるさんからの遅れた連絡で笑いましたww春樹くん…お気に入りキャラになりそうwwまた何かの機会で出していただけたら幸いです!あ、そうだ、また今度春樹くんについてのリクエストしますね (2019年5月1日 19時) (レス) id: 883f93b667 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - あんみつ@crewさん» こちらこそリクエストありがとうございました!恋愛感情、あんな感じで大丈夫でしたでしょうか?これからもよろしくお願いします。 (2019年5月1日 13時) (レス) id: 0a41dd36db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まろまゆこ | 作成日時:2019年4月22日 18時