おかあさんではありません！4【歌.い.手】

＊ ページ21

「正直女の人って苦手だったんだよ、ずっと。でもAちゃんは違った。話してて楽しいし苦痛なんて思わないし、優しいし.....可愛いし」

彼のほんのり赤く染った頬はお酒のせいなのか、よく分からない。
真っ直ぐ見つめられてしまい、なんて言ったらいいのか言葉が出てこなかった。

「結婚なんて正直まったくかんがえてなかったけどかAちゃんがお嫁さんになってくれるんなら、それもいいなって」

体が熱い。
炭火のせいなのかお酒のせいなのかはたまた、目の前のまふまふさんのせいなのか。
なんだか恥ずかしくなって視線を逸らそうとしたけれど、私の手を撫でていた指が私の指を絡め取った。

「...っ、あの、まふまふさ、」
「なーに俺の婚約者勝手に口説いてんの？」
「いてっ、」

いつの間にか戻ってきたそらるさんがコツンとまふまふさんの頭を小突いた。

「婚約者って言ってもフリじゃないですかー」
「それでもダメ」
「怒らないでくださいよー。冗談なのに」

「ねぇ？」と言われ恥ずかしさが倍増した。
冗談。
そう、まふまふさんにとって冗談だったのだ。
それを勝手に本気にして恥ずかしがって...。

(穴があったら入りたい！)

「Aさん意外と初心(うぶ)なんだからからかうなよ」
「ふふー、顔真っ赤にしちゃって可愛かったなぁ。写真撮っておけば良かった」
「や、やめてください！」

赤くなった頬を覚ますように、ジョッキに残っていたビールをあおった。




(冗談じゃないんだけどね)
(何か言った？まふ)
(べっつにー。そらるさんこのお肉どーぞ)
(ありがと.....って、辛っ！！お前何入れた！？)
(.......そらるさんばっかりズルい)

一方その頃→←＊

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