大倉くん。 (ページ7)

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(大倉side)

渋「準備できた？」

大「おん。」

渋「じゃあ行こか。」

行きたくない。行きたくない。

学校に行きたかった。

けど、すばるくんには言わない。

すばるくんは、実は俺の主治医。

だからこんなこと言ったら心配かけてまう。

渋「渋谷と大倉忠義です。」

看「こんにちは。渋谷先生はこちらで、大倉くんは、案内するからついて来てね。」

渋「じゃあ、また後でな。」

大「おん。」

そのまま廊下を歩く。

看「ここの部屋で、明日まで過ごすよ。いつもの部屋だからトイレとかわかるよね？」

大「はい。」

そう言って看護士さんが出て行く。

今日のはあんまり仲良い人じゃなかったな、なんて。

病院にはなんもなくても2ヶ月に1回、なんかあったら1ヶ月に2、3回。

1日目はいろいろ検査して、2日目は点滴して帰る。

病院の中のトイレの場所とか、仲良い看護師さんとか、それこそ誰も来ないような秘密の場所も知ってる。

いつまで来ればええん？治らへんの？

なんてもう思わない。

病院が身近なこの生活に慣れてしまった。

でもやっぱりさみしいなーなんて。

あれ、まるちゃんから電話。

大「もしもーし。大倉です。おん、ただの風邪笑。でも移すんが嫌やからお見舞いは来んでええよ。ごめんな！わざわざ言ってくれたのに。……ばいばーい。」

嘘ついてもうた。

渋「大倉、検査の時間やけど、」

大「おん。すぐ行く。」

ごめん、今は言いたない。