# Yoshiyuki . k ページ12
〜 嘉将 side 〜
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「 よしくん 」
嘉「 ん ? 」
「 すきだよ 」
俺の脚の間にすっぽりと挟まりながら 、コーヒーカップを片手に在り来たりな恋愛ものを観る日曜日の昼下がりに 、ふと彼女はそんな事を口にした 。ヒロインや主人公の台詞を真似てみせたり 、途中で流れてくる商品紹介のcmについてああだこうだ言い合う実に平凡な日曜日 。
嘉「 どうしたの (笑) 」
本当は彼女の欲しい言葉を知っている 。知っているからこそ返事にもならない言葉ではぐらかす 。むすっとした彼女がわざと子供のように唇を突き出すのは昔からの癖 。「 なんで怒ってんの ? 」なんてわざと彼女の耳に口付けると 、そんなので許してあげない ! とでもいうかのように分かりやすく睨まれる 。
「 … 本当はわかってるくせに 」
嘉「 え〜 、どうしよっかなあ 」
「 意地悪 … 」
そんな風に揺さぶりをかけると 、最終的にはAが怒ったように頬を膨らませるのはいつものお約束 。無意識的な上目遣いで見詰められでもすると俺だってヤバいのにね 、全然気付きもしないあたりが可愛くて好きなんだけど 。
嘉「 怒った ? 」
「 怒った ! もう許してあげない 」
嘉「 へえ 、じゃあ知らない 」
「 ぁ 、それはやだねぇよしくっ … んっ 」
後頭部を引き寄せて噛みつくような深いキスをすると 、時折微かに甘い声を漏らしながら必死に俺の首にしがみついてくる 。薄目を開けてみれば今にも溶けちゃいそうなカオのAと目が合っちゃって 。こういうの本当に我慢出来なくなるんだよね 。ああ 、腰にきちゃうなぁ 。
僅かな隙間さえも逃さず舌をねじ込む 。何度もキスを繰り返す内にとん 、と俺の胸板を叩くAは肩で呼吸をしており 、濡れた唇が厭らしい 。
「 … よしくん 、続きは … だめ ? 」
唇を離し 、ふと彼女の方を見るとそんな事を言うものだからその言葉を合図かのように 、もう一度彼女の頬に片手を添えて先程よりも深い深いキスをする 。もう片方の手は彼女のショーツの … 今日は俺の負けかもね 。
ねえA 、もうどうなっても知らないよ ?
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作者名:栞奈 | 作成日時:2018年6月11日 0時