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「それに、俺はな、

お前のこともめちゃめちゃ好きやねん。」



「は?」



「生徒として苦手な数学を教えんのも、

こうやって友達みたいにしゃべってんのも。


Aのことを『好き好き』言うてんのも含めて

めっちゃ好きやねん。

だから、俺はこれからもずっと

そんな拓実を見ていたいねん。」



拓実がかなり微妙な顔をした。



「何それ、きも。」



「キモ言うなや。

俺は正直な気持ちを伝えただけや。」



「俺は純喜くんのこと好きじゃない。」



「いや、お前は絶対に俺のこと好きやな。」



「は?好きちゃうわ。きも」



「2回も言うなや!」



再び純喜が拓実の肩を殴ると、

拓実は純喜の手を振り払って

立ち上がった。


ぐっとを膝を伸ばした。



「もういい?帰る。

勉強しなあかん。」



「ん。ほな、来週からちゃんと学校きーや。」



「気が向いたらな。」



「おい。」



拓実が団地の方へ歩いて行く。


階段を上る足取りは軽快で、

少しすっきりした横顔が見えた。



拓実が家に入るのを見届けて、

純喜は公園をあとにした。


 
拓実が家に戻ると、

母が既に帰ってきていた。



リビングに味噌汁のいい香りが

広がっている。



「もう帰ってきたん?いつもより早ない?」



「あぁ。ちょっと体調悪くて早退さしてもらってん。

あんたどこいってたん?自宅謹慎中やろ。」



完全に怒る5秒前だ。



「ちゃう。先生としゃべってた。」



「河野先生?」



「うん。」



母がじいーっと拓実を見つめた。



「何?」



「なんかあんたスッキリしたなぁ。」



「別に何もないし。」



「ほんまにぃ?」



母が嬉しそうにふふっと笑った。



「ももええから。勉強する。」



「はいはい。」



拓実はふんと鼻を鳴らして

自分の部屋に戻った。



机の前に座ると、

驚くほど勉強に集中できた。

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設定タグ:JO1 , 河野純喜 , 川西拓実   
作品ジャンル:恋愛
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ののん(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!私も更新するたび、hit数が上がると、読んでくださる方がいるんだなと実感できて、毎回更新するのが楽しみでした。次回のお話もぜひ読んでください! (2021年8月14日 22時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - 萌萌さん» コメントありがとうございます!私自身三人称で書いて行くのが初めてだったので、試行錯誤の繰り返しでした。次回のお話もぜひ読んでいただけると嬉しいです! (2021年8月14日 22時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - mbonchanさん» コメントありがとうございます!ルート説を読んでいる方に理解して頂くためには、同窓会まで繰り返さないと弱いかなと思い、同窓会のシーンまで書きました(^^)次回もぜひ読んでいただけるとうれしいです! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます!書き方などを勉強中なので、褒めていただいて、すごく嬉しいです(;_;)私も一応読み直してかきましたが、矛盾がないか不安です笑次回のお話もぜひ読んで下さいねー! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - クミさん» コメントありがとうございます!楽しみと言ってくださる方がいたので、頑張って更新が出来ました(^^)次回も頻繁にアップ出来るように頑張ります! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ののん | 作成日時:2021年7月22日 1時

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