201話 紫ロング ページ23
｢コイツラハ、ウルサカッタカラ、ダマラシタ。｣
楽音は緊迫した表情で手を背中に隠した。
慌てて駆け寄ろうとして穴の淵まで行く生徒達
麗｢っ、くさっ......、ガソリン...！？｣
お茶子が穴の中を覗いて顔をしかめる。穴の深さは八〜九メートルあり、その中には澱んだ液体が入っている。
上｢なんだよこれ！？なんで親があんなとこ...｣
瀬｢つーか相澤先生は！？｣
とザワつく生徒たちを冷たく撫でるように機械的な声が聞こえた。
｢アイザワセンセイハ、イマゴロネムッテルヨ。クライツチノナカデ｣
機械で無機質に変えられた声だが明らかに敵意が籠っている。
切｢暗い土の中って...｣
芦｢相澤先生やられちゃったってこと...？｣
葉｢嘘だよ！！きっと！！｣
砂｢そうだぞ！もうエイプリルフールは過ぎてんだぞ！つーか、お前誰だよ！！｣
｢サワグナ。ジョウダンダトオモイタイナラ、オモエバイイ。ダガ、ヒトジチガイルコトヲワスレルナ｣
緑｢人質...｣
突然の事に驚く一同だが、それでも事態を把握しようと周りを見渡していた。声の主はどこだ...
障｢違う、声はあの檻の中だ。｣
と、触手を耳に複製した障子が言う。
緑｢中...？｣
｢ソノトオリ。ボクハココニイル｣
その声を合図にして保護者たちの後ろから潜んでいた黒い人影が現れた。
｢シネ｣
と地を這うような重い声が響いた瞬間、その人影が弾き飛ばされた。そして穴を越えてこちら側に飛ばされてきた。
皆｢｢｢！？！？｣｣｣
その声は感情が感じにくい、機械的な声だが、先程までの声では無い。
黒い人影が保護者たち檻の近くで揺らめいた。
1-Aの生徒たちは目を見開いた。
皆｢｢｢A・楽音！？・Aちゃん！？｣｣｣
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作者名：名んです丸 | 作成日時：2019年10月2日 20時
