あなたがいて、私がいる2 (ページ3)

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HC side ページ3

勝手にドキドキしている俺とは裏腹に、彼女は自然体に見えた。
話し方も振る舞い方も落ち着いていて大人っぽい。

顔が見える距離で話していても何の反応もないということは、やっぱり俺のことを知らないんだ。

ある程度有名人とはいえ、アイドルに興味がない人は多いし、珍しいことじゃない。

俺は意を決して名前を聞いた。知りたいと思った。
A。彼女にピッタリな名前だった。

そして自分のことも名乗る。
イ・ドンヒョク。23歳。

俺を知らないとわかりながらも、名前を言う瞬間はやはり緊張した。もしかしたら名前を聞いてピンとくるかもしれないし。

でも彼女はやっぱり知らないみたいだった。
「私も23歳です！」とびっくりした顔でこちらを見ている。

俺は、心が震えるほど純粋に嬉しかった。

なんていうか、こんなシチュエーションは
ヘチャンが生まれてからは初めてだったからだ。

何って、ヘチャンを知らない人に自己紹介をする状況。
しかも、ヘチャンではなくドンヒョクだと。