あなたがいて、私がいる2 (ページ2)

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HC side ページ2

「…あの、星めっちゃ綺麗ですよ」
気づいたら俺は彼女を見て、窓の外を指していた。

待て待て。
俺なんで自分から声かけてんだろ。
もしヘチャンだってバレたらどうするんだ。

自分で自分の行動に驚いていると、彼女は目を丸くして、俺の指す先を覗くように歩み寄ってきた。

窓辺に近づくほど彼女が光に照らされ、その姿をハッキリと捉えられるようになった。

透明な黒髪には、天使の輪っかがのっている。
瞳は星の光をいっぱいに受け止めてきらめきだし、
口元には、夜空を見て思わずこぼれた優しい笑みが浮かび上がった。

「本当だ。すごく綺麗」

彼女の声は、暗くて静かだったこの場所に、灯りをつけて色を塗った。
想像通り、いや想像以上に透き通っていて美しい声だった。
優しくてあたたかかった。
心臓が小さく跳ね始めた。

気づいたら俺は、彼女の表情から、声から、仕草から、目を離せなくなっていた。