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【番外篇】兄弟子 2 ページ26

あの方の羽をもらった私はこの身が滅ぶまで傍でお仕えしようと決めた

奈落から急に脱した先生の瞳はなにも映さなかった紅から
すべてを受け入れる穏やかな緑に変わった

先生と二人、松の下で生まれた学び舎でまだ見ぬ弟弟子達と過ごす日々に思いを馳せた

そんな夜、俺は自らの終わりと共に先生達の平穏を阻害する者どもを始末した。一番弟子であるために。

だが自身の中を巡る不死の血は私を生かした

まだ、先生を護り続けろと言われた気がした

先生の傍で忠を尽くせずとも

松下村塾で弟子たちと授業を受け、稽古をつけてもらい
いつか先生から一本取ってみせると鍛錬に励む…そんな思い描いた日々を送れずとも

私の存在など…先生の記憶からは薄れ消えてしまっていても

それで構わない。
自分で決めたことだ。見返りなど求めていない。
そう思っていた。

そう思いたかった。



………私は先生に死の道を与えてしまった









「A達の平穏を奪ったのは私なんだ」


己で決めた信念を貫く。
口にするだけなら簡単だ。だがその道を歩き続けるのはいかに難しいことか。
信念で自分を縛り上げ、苦しい選択をしなければならないときもある。

だが白夜叉は師を斬る選択をした。

信念を貫いた弟弟子に羨ましさと憎悪を抱いた。

貴様は師を斬る定めからは逃れられぬと何度も絶望を放った。

なのに俺の予想もしない答えをいつも出す。


これが私が送るはずだった日々を過ごした者なのかと感じた。


溢れる憎悪に耐え切れなかった自分が憎かった


「だから…俺の所為で……」


『ごめんなさい』


Aは涙を溢れさせながら俺の手を握っていた
感じるぬくもりの心地良さに戸惑った。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 死ネタ   
作品ジャンル:アニメ
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ポテト(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。作っていただきありがとうございます。 (2022年8月2日 1時) (レス) @page35 id: becea61854 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーこさん» 中学生はとても感情が複雑でそれに受験が重なると苦しいことが多いかもしれませんがあまり気負わずご自身が出せる力を出して自分に合った場所を探せるといいなと思います。疲れたらいつでもひまわりの彼女に会いにきてくださいね! (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーこさん» たくさんの作品にたくさん感動していた側の自分が新しく作品を作りあの頃の私のように感動してくださる方がいらっしゃるのはとても感慨深いです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーこさん» 愛情こもったコメントありがとうございます。嬉しすぎて泣いてしまいました。私もみーこさんのように読み漁っていた時期があり一通り読んだ後にもっとあんな設定でこんな文章の作品が読みたいと考えるようになったのがこの小説の執筆を始めたきっかけです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - やっぱり素晴らしいですね。花言葉のエモさを理解したし、色んなことを教わった作品。ボロ泣きした夢小説は少ないんですけど、そのひとつでした。今どうかはわかりませんが、この作品は永遠に不滅だと思ってます。銀魂が終わってもまた、訪れさせていただきます。 (2020年10月28日 21時) (レス) id: 322bb6492e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月14日 23時

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