【番外編】実写の人2 ページ24
「なにかおかしなことを言ったかい?」
「ごめんなさい、以前も同じようなことを話していた方がいたんです」
前にきた異三郎さんも、あのバラガキのエリートなら信念だけは曲げずにあがき続けるでしょうと、信女さんのこと以外に話したことはそのことだけだった。
名門の家柄ではなく、違う道で侍になり真の道を進む彼らには人の心を変える何かがあるのかもしれない。
そして、偶然であるかもしれないけど真の道を進む彼らのところへ敵として送り込んだ晋助さんは、鴨太郎さん達になにかいい影響があるかもしれないと考えていたのかもしれない。
「…でも僕の探していたものがわかったのはきっと彼自身も同じような経験してきたからじゃないかと思う。高杉にも変わらない絆があったのかい?」
変わらない絆…それが晋助さんにあったとしたらそれは銀時さん達だ。
武家の長男として生まれ、立派な武士になるように育てられた彼も求めていたものは武功や地位ではなかった。
誰との関係もからっぽだった晋助さんには自分を認めてくれる理解者ではなく、銀時さん達のように士籍を気にせずに悪態ついて話せる仲間だった。
自分と同じようにからっぽな鴨太郎さんを照らしあわせたのかもしれない。
でもきっと今の彼はからっぽじゃない。なにか心に持っているはずだ。
それが世界を壊す破滅的な考えだとしても、彼なりの矜持がある。
「だから、大丈夫ですよ。
晋助さんの心もきっと誰かが還してくれます」
ひまわりの笑顔なAとは反対に、言葉の意味がわからない鴨太郎は首をかしげる。
さきほどまで鴨太郎さんの膝で眠っていた猫はベルフワラーが咲く近くで伸びをしていた。
ーーーーーーーーーーー
その後のお酒が入った鴨太郎さんの話に付き合うA
「僕はいつか絶対真線組動乱篇は映画化すると思ってたんだよね。
さかのぼれば紅桜篇の映画化が決まったときに“キタ・・・!”と思ってたね」
『もう一年以上前の話ですよ。いつまで引っ張ってるんですか』
「夜道で土方君を助けたときに刀を隊服についてるスカーフで拭いてるシーンあったろう。
あれ、三浦春馬が真線組のスカーフはこのためにあるんじゃないかと監督に話したら採用されてできたシーンなんだ。プロが演じて、監督の自由さがある銀魂の撮影現場だからこそできるものだよね。」
『もはやあの映画のかなりのファンじゃないですか』
159人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポテト(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。作っていただきありがとうございます。 (2022年8月2日 1時) (レス) @page35 id: becea61854 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» 中学生はとても感情が複雑でそれに受験が重なると苦しいことが多いかもしれませんがあまり気負わずご自身が出せる力を出して自分に合った場所を探せるといいなと思います。疲れたらいつでもひまわりの彼女に会いにきてくださいね! (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» たくさんの作品にたくさん感動していた側の自分が新しく作品を作りあの頃の私のように感動してくださる方がいらっしゃるのはとても感慨深いです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - みーこさん» 愛情こもったコメントありがとうございます。嬉しすぎて泣いてしまいました。私もみーこさんのように読み漁っていた時期があり一通り読んだ後にもっとあんな設定でこんな文章の作品が読みたいと考えるようになったのがこの小説の執筆を始めたきっかけです。 (2020年11月2日 0時) (レス) id: 186341d011 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - やっぱり素晴らしいですね。花言葉のエモさを理解したし、色んなことを教わった作品。ボロ泣きした夢小説は少ないんですけど、そのひとつでした。今どうかはわかりませんが、この作品は永遠に不滅だと思ってます。銀魂が終わってもまた、訪れさせていただきます。 (2020年10月28日 21時) (レス) id: 322bb6492e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴 | 作成日時:2018年8月14日 23時