【w.r.w.r.d】嫌いなあなたへ無能な私より・２

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＿＿＿今は集中しろ


自分に言い聞かせるように、そう唱えた

グルッぺンの方を見ると視線は若干下を向いていて
私の発言の真偽を考えているように見える




tn「お前の言う事なんか、もう信じられへんわ」

トントンは冷たく、そう言った


『……』


反論しても火に油を注ぐだけだと思い
何も言わなかった



いや、何も言えなかった、という方が正しい

ここで私がなにか言っても、何も信じてくれない

私の言うことなんて、もう、信じてはくれない


口を噤んだ



言葉が出てしまわないように

余計なことを口に出してしまわないように。






会議室は重苦しい空気がながれていて
身体が重く感じた


皆の視線は私に向かっている

その視線は私の身体を突き刺すようで

息が詰まる


その中でも私は真っ直ぐグルッペンを見た

グルッペンも私を見ていた




信じてよ、今だけでいいから、お願いだから。



目で訴えかけても、何も意味は無い





どうせ信じてくれないよ。




私の中で何かが私に語りかけてきた




無理だよ、そんなのどうせ信じてくれない

今までだってそうだったよ

そんなの嘘だと思われて処刑されて終わりだよ

Aの努力なんて誰も見てない

見ようとしてない

Aは邪魔な存在だったんだよ

こんな人生歩むぐらいなら
死iんじゃえばよかったのに
その方が楽だったのに、ほんっとに馬鹿で哀れな私。






1人なんかじゃない、たくさんの声が私にそう言う

頭の中でずっと語りかけてくる



身体が固まって動かなかった

下唇を噛み締めて、静かに俯いた


信じてくれない


そんなの分かる、分かってる


心臓が握り締められているようで胸が痛い

息が上手く吸えない

吸っても吸っても酸素が入ってこない

苦しい



また嘘だと思われたくない、信じて欲しい

でも私の中では色んな自分がいた



信じて欲しい私と

信じてくれないと思っている私、

両方でもない、矛盾した私

どれが本当のワタシか、迷ってしまう。



ダメだ、ここで私が迷っちゃダメだ

信じて欲しい、そう、それが本当の私だ。



服の裾をギュッと握り締めた

強く噛んでしまっていたからか
下唇からは鉄の味がした

偶然下ろしていた自分の髪が私の顔を隠すように
周りの視線を感じないように、左右からの視線を隠してくれる


それだけでも少し、落ち着くことが出来た

心の中ではただ、信じて欲しいという気持ちだけが

私を満たしていた

きっとそうなんだから＿＿＿

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