……55 ページ14
＿＿＿＿なぜか腑に落ちない。
Aの胸の奥にあるモヤモヤは無くなるどころか
さらに色濃く増したような気がした
昔から思ったことはズバズバ言うタイプだと自覚していたAだったが、今の自分のこの想いを言葉にするのは難しかった
必死に今までの記憶を手繰り寄せ、言葉に表そうとするも言葉は出てこない
ただ胸の奥のモヤモヤは募るばかりだった
やっと、信じて貰えたのに
私の事を見てくれるようになったのに
あの頃に戻るためには通らなければいけない道なのに
どうして。
考えても、考えても答えは出なかった
面倒くさくなったAは考える事を放棄した
『…』
Aはグルッペンから視線を外し
ふと自分の足元に視線を移した
Aの視界には自分の体しか映らなかった
だが一瞬、視界に映るもの全てが汚く見えた気がした
一瞬の事であまりよく分からなかったが、泥のような、黒い何かがべっとりと付着しているように見えた気がした
疲れているんだ、きっと
Aは自分に無理矢理言い聞かせるようにした
だがやはり納得出来ない
改めて皆の顔を見てみた
すると先程と同様に幻覚のようなものが見えた
ほんの一瞬だけ、”リリィに最初に騙された”あの時のように
裏切られた、信じていたのにと言わんばかりの
悲痛に歪んだあの時の表情に見えた気がした
私は、何を見ているんだ？
まるで、”あの時”のことを思い出させるようにして
あの瞬間の光景をことごとく見せてくる
もう思い出すのもうんざりなのに＿＿
また、声が聞こえる。
止んだと思った声がまた聞こえてきた
ほとんど聞こえないほどの声量の声は段々と大きくなっていき、まるで遠くからこちらに近づいてきているかのようだった
＿＿＿＿私は嘘なんてついていなかったのに
一方的に決めつけられたんだ
＿＿＿そんなの許せない、ワタシは絶対許さない。
＿＿＿なのに、なんで許そうとするの？
＿＿＿あの時のことを、忘れたの？
……なら、思い出してよ
＿＿＿＿あの時の悲しみも、苦しみも、不安も、辛さも、全部
思い出してよ。
＿＿＿＿＿＿＿＿許せないでしょ？
顔を上げると目の前には1人の少女が立っていた＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1516人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょび(プロフ) - 2話とも、とても楽しかったです。続編のパスワードのヒントはないんですか？ (2021年12月28日 18時) (
レス) id: cfa5042094 (このIDを非表示/違反報告)
ベル - 続き待ってます!すごく面白いです (2021年12月9日 21時) (レス) @page45 id: aa5565494f (このIDを非表示/違反報告)
八坂リア(プロフ) - 個人的にはBadエンド、しかし欲を言えば両エンドみたいです…。いつも更新お疲れさまです。作者様のペースでいいので頑張って下さい。応援しています！ (2021年12月8日 0時) (レス) id: fb73d8d861 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 私的にはHappyENDがみたいです！ (2021年12月8日 0時) (レス) @page45 id: 406b79fb24 (このIDを非表示/違反報告)
MoonLight(プロフ) - どちらのエンドでも楽しみに待ってます！投稿が遅くなってもいいので自分のペースで頑張ってください気長に待ってます！ (2021年12月7日 8時) (レス) @page44 id: 9ba7043ab6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾈﾛ | 作成日時：2021年9月15日 7時
