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裏門から正門への並木道もそろそろ終わる。
校門が見えて来て、ほっ、と息を吐いた。

校舎前に、誘導係がいるはずだ。

其れに従っていけば問題あるまい。



……良かった。間に合って。



待機場所に無事たどり着き、自身の番号が書かれた椅子に座る。

パイプ椅子のギシッ、とした音を聞きながらふと回想を始めた。









__きっかけは何だっただろうか。

中学二年生の頃、久しぶりに親戚の集まりがあって、長年疎遠となっていた従兄弟に出会った。

其の時の彼は既に高校三年生で、青春を送っていたように思う。





洛山高校バスケ部の、主将として。





天才、とは程遠かったけれど、人の本来の力を引き出すのが上手い人だった。
気さくで、努力を怠らないその姿は、沢山の方々に信頼されるようになったと聞く。

バスケの強豪校で主将を務めていた位なので強いだろうとは思っていたが、まさか身内に全国レベルがいるとは到底実感出来なかった。

そんな彼に、試合を観てみないか、と誘われたのだ。

躊躇って居た私に、彼は執拗に魅力を語ってくれた。其の熱意に気圧され、観戦を決意した。









世界が、変わった。









圧倒的であった。引き込まれた。
胸がギュッと締め付けられ、息が荒くなった。
でも不思議と嫌な感覚ではない。

ゾクゾクして、熱くなって__




気付けば、私はすっかりバスケの虜になっていたのだ。



其れ迄、バスケは私にとって嫌な記憶であったのに、一瞬で塗り替えられてしまった。



そして、即洛山高校への入学を決めた。

バスケを見たいなら、ここしかないだろう、と言われたからだ。



WC開催第一回目優勝校にして優勝回数全国最多。


『開闢の帝王』


圧倒的な存在感と、確かな実績。これ以上相応しい呼び名はあるまい。

洛山は偏差値70を超える指折りの進学校だったが、入試はクリアできた。


……余裕、ではなかったけれど。







無事入学出来たのだから良いではないか。

此処まで回想して、やっと担任らしき先生が移動を命じた。



入学式が、愈々始まる。

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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時

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