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あの日から暫く、私は放課後黛先輩と過ごす事になった。

簡単な挨拶をし、ひたすら一軍の練習を眺めるだけの日々。

私達の間には此れと言った進展も無く、平和に毎日が過ぎて行った。








だが、今日だけは違った。

はる兄の事を聞かれ、答えている内に彼も口を開き始めたのだ。



自身が万年三軍で有った事。

バスケからはすっかり離れ、平凡に生きて行くと決めた事。

けれど、私達が初めて出会った一日前に、バスケ部に誘われた事。



「先輩は、バスケはお嫌いですか?」
「別に、好きでも嫌いでも無い。体力作りの為に行ってた様なもんだし」



相変わらず無表情なので、心情はイマイチ読み取れ無い。





「どうせやるなら、コートに立ちたいと思いますか?」
「………………」





私は、彼が誰に誘われたのか、如何して誘われたのかを全く知らなかった。

けれど、答えに渋っている事からすると、何かしら複雑な感情が渦巻いているのであろう。

一週間程共に過ごしたが、黛先輩は何方かと言うと物事をハッキリと言う為、嫌なら断れば良いだけの話。


其処が、とても引っ掛かったのだ。


何故、彼は此れ程迄に追い込まれているのだろうか?






「…………俺が」
「はい」
「《一軍に》、誘われたと言ったら笑う?」
「笑いません」
「万年三軍で、ブランクも有るのに?」
「はい」






「………………ん」






分かった、と彼は呟いて部屋を出た。





そして。
此の日以来、私は彼と此の部屋で出会う事は無くなった。

そう。








次の日、黛千尋先輩はバスケ部に再入部したのだ。

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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時

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