1話 入学式の夜に ページ3
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―――まわりを取り囲まれている。ある者は遠くから、またある者は至近距離から。
期待に満ちた目、絡みつくような視線、頭からつま先まですべてが不躾な視線に晒されて、居心地が悪いことこの上ない。
「ふむ、また面白いのが入ってきたものじゃのう」
「なぁなぁ!!お前、今夜うちの宴に来ないか!?あ、俺はカリム!よろしくな!」
「ちッ...おい、お前オレの寮に来い」
「いえいえ!!どこでもいいなら是非うちのオクタヴィネル寮へ!どこよりも好待遇ですよ?」
「ちょっとアンタ耳を貸しちゃダメよ、その顔でポムフィオーレに入らないなんてありえないわ」
「あれだけ膨大な量の魔力操作を難なくこなすなんて...キミにはぜひボクの寮に入ってもらいたいものだね」
「ひぃ...この状況でウチに誘うとか無理すぎでしょ...クソゲー展開乙なんですが...」
気まずい。こわい。帰りたい、そしてなによりも真剣に問いたい。
一体どうしてこんなことになったのかしら?????
...
時は少し遡って。
ここはナイトレイブンカレッジ、通称NRC。
ツイステッドワンダーランドに数多存在する魔法士養成学校が最高峰、四年制の名門男子校である。
広い世界の片隅にある小さな島のその学び舎に、今夜、続々と黒い馬車が集まってきていた。
柔らかい灯りと大きな満月の光が、その光景を照らし出す。
学園の大きさに合わせて巨大に作られた正門からメインストリートまで、綺麗に並んだ馬車たちが大人しくその扉を開けられるのを待っている。
馬の微かないななきと蹄の音が綺麗に舗装された石畳の上に満ちて、いつもは冷え切ったその場所に少しの活気とあたたかさを添えていた。
そして、
「グッドボーイ!お前たちの今年の役目は終わりだ。来年も頼んだぞ。」
全ての馬車から棺桶が降ろされて、ふよふよ浮きながら学園のなかへ姿を消したのち。
満足げな一人の男の声とともに、馬が引いていた馬車たちはふっとかき消え――否、彼が手にしていた木箱に、姿を変えてつぎつぎ飛び込んでいく。
最後にきらきらとちいさな光をまき散らしながら箱に収まった「馬車」たちを見て、男はよしよしと頷いた。
「ふむ、well done!! 今年は園芸部がいい仕事をしたな」
「なにを独り言言ってるんです???クルーウェル先生」
背後から何者かが問いかける。
いつからそこに居たのか、突如真後ろから現れたもう一人の男に声を掛けられて彼―クルーウェルは振り返った。
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まま - 上手に書いてそう、読もっかな?と思ってたら髪と瞳と性格の設定見て厨二臭くて、一周回って逆にわくわくする (2021年8月16日 14時) (レス) id: 40b8a4973a (このIDを非表示/違反報告)
nomnom(プロフ) - おかめさん» いやぁぁぁぁんもう嬉しすぎます〜〜〜...ほんとにこんなおっちょこちょい作者の作品を応援して下さって、優しいおかめさんには感謝しかありません...!!よければこれからもコメント欄などでお話しさせてください〜〜!! (ご指摘いただいた箇所直してきました!!) (2021年4月6日 1時) (レス) id: f1b2cb7827 (このIDを非表示/違反報告)
おかめ(プロフ) - わたしもよく設定を間違えて覚えていてうわぁぁぁ恥ずか死〜!!!ってなります!笑この作品ほんとに大好きなのでこれからも応援させていただきます! (2021年4月6日 1時) (レス) id: f8a7fcbdc8 (このIDを非表示/違反報告)
nomnom(プロフ) - おかめさん» 話数まで丁寧にご指摘くださってありがとうございます!!作者よく深夜に目をこすりながら書いておりまして、そういうミスだらけだと思うので......今後もなにか見つけたらご指摘くださると嬉しいです!!!(土下座) (2021年4月6日 1時) (レス) id: f1b2cb7827 (このIDを非表示/違反報告)
nomnom(プロフ) - おかめさん» ああああそれ!!!!!直そうと思ってたの忘れてたんです〜〜〜〜!!!!ああもうほんとにお恥ずかしい、穴があったら入りたい、、恥ずかしさからくるオバブロ寸前ですわ...なおしてきますね!!!!(爆速) (2021年4月6日 1時) (レス) id: f1b2cb7827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nomnom | 作成日時:2021年2月24日 3時