30日目 ページ30
楓side
「ただの悪ふざけじゃない。そんなに騒がないでよ。」
「もしかして五条の坊ちゃんって意外と初心?」
なんて少し煽ってみる。
「んなわけ…!初心なわけないだろ!!」
ちょっと煽っただけでこの反応。
五条の坊ちゃんがAのお気に入りになった理由がわかった気がする。
「へぇ…ですってよ?A。」
服を取りに行くため席を外していたAに声をかける。
『え?あっそうなんだ』
「あんた絶対聞いてなかったでしょ…」
「五条の坊ちゃん初心じゃないんですって」
なんて言いながらAの服の裾を引っ張る。
これは私とAのちょっとした秘密の合図みたいなもの。
私がなにかAに協力してもらいたい時によくこの合図をする。
そうすれば…
『ふーん…まぁ、悟かっこいいしね、別に驚きはしないかな。むしろ流石って感じ?』
ほらね?のってきた。
反応が気になり五条の坊ちゃんをチラッと見るとAに言われたことが相当ショックだったのか目に見えて落ち込んでいた。
俯いてAには見せないようにしてるけど、泣きそうになってる…?
…これは予想外ね。
まさかこんなことを言われただけでそんな顔をするなんて。
どうやら、Aのお気に入り君は私が思っているよりAのことが好きな様子だった。
ーーーーー
Aside
「五条の坊ちゃん初心じゃないんですって」
そう言いながら服の裾を少し引かれる。
これは楓が昔からよくやる悪戯を始める時の合図みたいみたいなもの。
また悪戯思いついたんだろうな…なんて思いながら楓の悪戯(?)にのってやる。
『ふーん…まぁ、悟かっこいいしね、別に驚きはしないかな。むしろ流石って感じ?』
いつまで経っても返答がなく、さすがに心配になって俯いたままの悟の顔を覗き込む…直前で目元を覆われ、顔を見ることは叶わなかった。
『ちょ…なに?』
どうやら俺の目元を覆った犯人は楓だったらしい。
その証拠に耳元辺りから小さな楓の声が聞こえてくる。
「私たち、ちょっとやりすぎちゃったみたいね」
『それってどういう…』
「…五条の坊ちゃん泣きそうになってる。」
『え…?』
「私は部屋に戻ってるから、ちゃんと慰めてあげてね」
その言葉を聞くと同時に目に光が飛び込んでくる。
飛び込んでくる光があまりに眩しくて、少し目を細める。
やっと目が光に慣れてきた頃、声をかけようと一瞬見た悟の顔は、楓の言う通り、泣きだしそうに歪められていた。
さすがにやりすぎた…かな?
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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時