56話 頭撫で 燈矢ver. ページ6
今日朝のテレビ占いを見ていたら見事第1位。
私は今日ラッキーパーソンだ。
更に運をあげるために身近な人の頭を撫でたら良いらしい。それなら私の得意分野である。
やっぱり子供達からかなぁ。
上の子から順に日頃の感謝を述べて頭を撫でさせてもらおう。
まずは燈矢から。
燈矢は執念深く頑固で意志を曲げない、昔の炎司さんそっくりだ。でも、言い換えれば努力を怠らないとても強い男の子。
休みの日でも学校終わりでも時間さえあればサポートアイテムを装着して訓練場で個性の特訓をしている。
燈「出力時間は短く建物の被害を最小限に抑える炎を出す。それに加えて作用時間を長くする必要がある。
やることがいっぱいすぎて頭混乱しそう！」
頭を抱えながらも自分の弱点や癖を纏めたノートを片手に、ひとつずつ改善していこうとしている燈矢に心をうたれた。
ヒーローになる為の勉強をしてこなかった私には何にもアドバイスなんか出来ない。
そんな燈矢に私が出来ること。
『燈矢。』
燈「あ、お母さん！」
『毎日訓練頑張っているわね。燈矢の頑張りが下の子達の士気を高めてくれていると思うの。
いつも長男として下の子達の面倒を見てくれて、先頭で引っ張ってくれてありがとうね。』
そう言って頭を撫でたら燈矢は驚いた顔をして後ろに飛び退いた。
…そんなに嫌がらなくてもいいじゃん？？
なんか気まずい空気流れているし、頭を撫でていた手が行き場を失ってしまったんだけど！？
燈「え、なに急に。」
『ただ言いたくなっただけよ。』
燈「…ふーん。」
『燈矢さ昔は今の焦凍までとはいかないけど甘えただったじゃない？たまには肩の力抜いて甘えてきても良いのよ？』
燈「もうそんな歳じゃないし。」
『あら、いくつにっても私の可愛い息子じゃない。』
燈「…仕方ないな、今日だけだよ？」
素直に頭をこちらに差し出す燈矢。
やらされている感を盛大に出しているけど耳が赤いのを隠しきれていない。
大きくなった身長。
あと数年もしたら抜かされちゃうだろうなぁ。
燈「も、もういい！」
最初は耳だけだった筈なのに気がついたら顔も真っ赤に染まっていた。
それでも私の手を振りほどかないあたり嫌ではなかったのだろう。少しほっとした。
私が頭から手を離すと撫でていた方の手を捕まれ、俯きながら燈矢が言葉を発する。
燈「お母さんの気分の時でいいからさ、また撫でに来てよ。」
『ふふっ、勿論よ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1981人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あかさたなはまやらわん - 定期的に見たくなる小説過ぎる（） (12月29日 13時) (
レス) id: 907bfd87dd (このIDを非表示/違反報告)
ari(プロフ) - ふと読みたくなる〜何回戻ってきたか覚えてないぐらい良い作品！！これからもお世話になります！！ (8月4日 12時) (レス) @page12 id: 5a5aa31b6c (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 本当に天然、ツンデレ、最高、素晴らしい、可愛いエンデヴァーでしか取れない栄養がある (7月23日 11時) (レス) id: 608bd786c9 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - ２回目読みました！やっぱいいっすね〜( ￣▽￣) (2023年1月15日 23時) (レス) @page12 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
天草 礼(プロフ) - マジでずっとニヤニヤしてやばいです！とても素晴らしい作品を読ませて頂きありがとうございます!!大好きです!!! (2022年12月30日 16時) (レス) @page12 id: 79a8983217 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星桜 | 作成日時：2021年10月11日 0時
