episode2-3 ページ5
「……っか、わいぃ〜……」
結局俺たちは、フライゴンの持つ卵からナックラーが孵化するのを見届けた。一匹残らず自分の力で殻を割って生まれたナックラーは生まれた直後だというのにそれぞれ思いおもいに動き回っている。
Aは先ほどから、そんな生まれたてのナックラーに夢中で、肩が触れ合いそうなほど近く、隣に座っているこの状況など気にもとめていないようだった。
「やっぱり見届けられてよかった〜、ほんとナックラーかわいいなぁ」
「でもA姉どうすんの?A姉まだ手持ちも持ってないし、モンボも持ってねぇじゃん」
大半の人の卵を求める理由は、そのポケモンを育てたいからという理由がほとんどだろう。
ジムチャレンジの資格がない今でもポケモンを持つことは禁止されていないが、Aには捕まえるための条件は揃っていない。なら何を目的にして、前々からこのナックラーたちの孵化を心待ちにしていたのだろう。
「わたし捕まえたくて来たんじゃないよ。ただ見届けたかったの。それにわたしはまだあの親子の中を引き裂きたくはないよ」
なんともAらしい理由で、ポケモンを大事に思うその気持ちになぜだか俺が他の人に対して自慢したくなる。
「それに、ドラゴンタイプって本当かっこいいよね!!わたしドラゴンタイプ大好き!!」
「うん……俺も」
そう、Aも俺も一番のお気に入りのポケモンのタイプはドラゴンである。
好きになった最初の理由はかっこいいからとか、強いからとか、そんなささいなことだったかもしれないが、二人でドラゴンタイプのポケモンを追っているうちにだんだんのめり込んでいった。
俺に至ってはそんなドラゴンタイプにハマったのは、Aが一因となったのかもしれないが。
「よし、無事に終わったことだし、もう帰ろっか!」
「あ、おう」
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作者名:のーいふす | 作成日時:2019年12月1日 18時