かわいい幼馴染。 (ページ42)

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「…はぁ」

1つため息をついてしまう。

…あぁ、懐かしき光景だなぁ、

『あんた山風兄弟のなんなの?』

『どうでもいい仲なら、近寄らないでくれる?』

近寄らないで…なんて言われてもねぇ。

『何その顔。バカにしてんの?』

…してますよ。そりゃあ。

『…ムカツク』

ぽつりとそう呟いた先輩。

「いたっ…」

急に強く腕を引っ張られたかと思うと、ﾄﾞﾝっと強く押されてしりもちをついてしまった。

『ここで頭冷やしてなよ。西島さん』

にっこりと笑った先輩はそういって、重たいドアを閉める。

…体育館倉庫という在り来たりなもののドアを。

「…はぁ」

また1つ。

教室に鞄は置きっぱなしだから…きっと和君が気づいてくれるだろうけど…

「あっつ…」

ただ、その気づくのが遅いと…ちょっとやばいかも。

「あ～…もう!」

ﾄﾞﾝっとマットの上に座り込んだ。

体育祭からこんなことばっかりだ。

じわりと滲む汗。

ｸﾗﾘとした視線に酔いそうになり目を瞑ると…なんだか寂しさがこみ上げてきた。