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行成「はぁ…僕はダメだ。ダメな男だ。ダメンズだ」
「…でしょうね」
お店…もう閉まってる時間なんですけど。
功一「ばか…例の女子大生ですか?」
行成「例の女子大生かぁ…なんて冷たい表現だ。
貴方にとってはねぇ、例の女子大生かもしれないけど、私にとっては…例の女子大生だ!」
「…!」
なんだかめんどくさい絡みだ。
そう思い2階に逃げようかと思うと、私の手を取って"行かせないぞ"なんていう視線。
「うぅ…わかったよぅ」
私が小さくそういうとおにぃは満足そうな表情で私から手を離し、携帯へと手を伸ばす。
行成「僕は彼女の事を何も知らなった!自分の事で精一杯で、料理や店の感想を求めるだけで、さぞかし苦痛だったに違いない…。あの夜もそうだ」
功一「なんかあったんすか?」
行成「うるさい、今話すからぁ!」
行成さんがそういうと…おにぃは呆れた様子。
行成「突然泣き出すなんて…泣きだしたんです彼女!ハヤシライスを食べたら急に…!
メールかよ!!」
功一「あぁ!すみません、すみません…」
焦った様子で背中に携帯を隠す。
そして…そっとその携帯を私に渡した。
行成「まさか…彼女がハヤシライスを嫌いだったなんて…」
「はい?」
行成「嫌いじゃなきゃ泣かないでしょ!彼女きっと…デミグラスアレルギーなんです」
真剣な顔で何言ってるんだ…この人。
「送信…っと」
行成「ん?何か言いましたか?」
「へ?あ、いや…」
さっきまでおにぃが打ってたメールは…勿論、しず宛てのもの。
"今すぐ戸上にメールすべし"
行成「タクシーの中でも、彼女の事を気遣う言葉もかけずただ手を握ってあげることしか…」
「…!?」
急に後ろでコップが割れる音がした。
「手、手握ったんですか!?」
行成「あれが私の精一杯の優しさ…いや、スケベ心だ」
ﾁﾗっと後ろのおにぃを見てみると…今にも行成さんを半殺しにする勢い。
「お、にぃ早く…片付けなきゃ…」
そんなおにぃを落ち着かせるためにそういうと…おにぃは気が戻ってきた様子でほうきを取りにいった。
行成「みえみえなんだ、僕…がっついちゃうの!!!そのくせ部屋に上がる度胸はないわけで…かっこつけて帰ってきちゃった…あ〜ダメだ!僕は戸上ダメ成だ…!」
「…それから連絡とってないんですか?」
行成「とってるわけないでしょ!」
「えぇ…」
普通とるよ。とろうよダメ成!!!
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2017年12月11日 22時
