。流星の絆。2 (ページ4)

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行成「ごめんねぇ…こないだ酔っぱらって迷惑かけちゃって」

功一「今日も酔っぱらってるみたいですけど」

「はい…お水です」

行成「ちょっとワインをね。仕事でさ…」

功一「お酒飲むのが仕事なんですか?」

行成「まぁ…だいたいそんな感じかな。来週も青山でワインの試飲会だよ。
苦手なんだけどねぇ、パーティーとか。親父が行けってうるさくて。
ストレス溜まるのよ…親子二代でやってると」

行成さんの話を聞いたおにぃは…悲しそうな表情。

「親子二代…」

もし…もしお父さんが生きてたら…きっと…おにぃたちも…

「、」

きゅっと唇をかんで…零れそうな涙を抑える。

行成「ご主人のご実家が洋食屋だって言ってたよね?」

功一「、覚えてたんですか笑」

行成「今度食べに行ってみようかな!連絡先と地図、教えてよ!!」

功一「…もうなくなっちゃいました」

行成「え?」

功一「とっくに潰れたんですよ」

行成「あぁ…そっか…残念だなぁ…」

そういった行成さんの言葉に私もおにぃも返す言葉がない。

行成「ま、飲食業はね?どこも大変だから…悔しいけど、味だけで勝負できる時代じゃない」

行成さんは励ますつもりなんだろう。

でも…その言葉は無責任に感じた。

何も…知らないくせに。

功一「そうじゃなくて…」

行成「ん?」

功一「殺されたんです。親父…殺されたんです」

怒りを露わにしないように…うっすらと微笑んでおにぃは行成さんに向かってそういう。

行成「…またまた～!」

その後温めたカレーをかき混ぜるおにぃの表情は……胸が締め付けられそうだった。

功一「もう、いつまでそんな表情してんだよ」

行成さんが帰った後、おにぃは眉を下げて笑う。

功一「あ～噛むなって。血、出てくるぞ?」

泣かないようにずっと唇をかんでたら…おにぃはそういってﾍﾟｼっと私の頭を叩く。

「だって…」

功一「だって?」

「…お父さんのハヤシライス…美味しかったんでしょ?日本一のハヤシライスだったんでしょ?」

おにぃの目を見ながらそう問いかければ…おにぃは笑った。

功一「当たり前のこと聞くなよ笑
父ちゃんのハヤシライスは…日本一だ。だって美味かっただろ?」

「、うん」

美味しかったよ。

…この前おにぃが作ってくれたハヤシライス。

きっとおいしいんだろうね。

…お父さんが作ってくれたら…余計。