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功一「俺はこの一週間、そのレシピを読みまくった。
どうしたら父ちゃんの味…いや、あの夜シーが食べたハヤシライスの味に近づけるか研究に研究を重ねた」
「もう3食全部ハヤシライス」
泰輔「うわ、まじかよ」
静奈「いくら洋食屋の娘だからって…それは耐えられない」
功一「…そしてついに昨日」
私たちの会話を聞こえなかったふりをし、そう話を続けるおにぃ。
功一「俺はその暗号を解読した」
泰輔「なんだよ、もったいつけんなよ」
泰にぃがそう聞くと…解読できたうれしさを隠しきれない様子だ。
功一「これ。なんだかわかる?」
泰輔「05279…無闇…」
静奈「電話番号?」
功一「え!?」
静奈「名古屋の市外局番でしょ?前の会社の名古屋支店の一緒」
しずがなんともない表情で告げると…おにぃは混乱したように視線をうろちょろさせた。
「…おにぃ、何日かかったんだっけ?」
功一「…一週間…」
泰輔「お前…気、使えよ…(ﾎﾞｿ」
静奈「ごめん笑…それで?電話したの?」
功一「あ?あぁ…そしたら、名古屋の老舗の醤油屋さんだった」
金庫を開けて一本の瓶を取り出す。
功一「っでー…今日行ってきた」
「えー!?」
私がそう叫ぶとおにぃは焦ったような表情に。
功一「あ、ごめんって!昨日分かったもんだから…お前今日学校だったし!な?」
「だからって今の今まで内緒にしてたなんて…おにぃ、最近ひどい」
功一「ごめんごめんって」
口を尖らせてると「子供かお前は笑」なんて隣の泰にぃが笑う。
「子供ですぅー」
貯金額小学生の人に言われたくないけどね、
功一「あ、でさ。父ちゃんはその醤油を使うことにこだわってたんだ。っで開店以来ずっと好意にしてたんだって」
「…しずが言ってた香りって…」
静奈「この醤油のことだったんだ」
功一「でもそれだけじゃないんだよ。
とがみ亭も同じ醤油を買ってたんだ。14年前…事件の一ヶ月後だ」
静奈「…うそでしょ…」
功一「嘘や偶然なんかじゃない。とがみ亭はアリアケの味をパクった、14年前に。
それで大成功した」
泰輔「ってことは…」
功一「そう。シーの舌にも泰輔の目にも狂いはなかった」
「…あの夜裏口から出て行った男は…」
功一「…戸上政行だ」
突然の真実に……私たちの脳はうまく働かなかった。
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2017年12月11日 22時
