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ごくんと息を飲む。
松田くんのことをそんな風に言われるとは思っていなかったので、すぐには返す言葉が出なかった。
たしかに松田くんは、目つきも悪いし嫌なことも言うけど………。
「お、教えてくれたよ……腰に力入れろって…」
「でも優しくないじゃない。女の子にあんなことするなんて」
白鳥さんはわたしの言葉を歯牙にもかけず、ばっさりと切り捨てた。
優しくない、という言葉に胸がぎゅっと締め付けられるように痛んだ。
なんでだろう。
わたしの悪口を言われているわけではないのに、まるで目の前でひどい暴言を投げつけられているような感覚に襲われる。
「ま、松田くんは……」
「まあ、そんなことはどうでもいいんだけど」
わたしが口を開きかけたのを、白鳥さんは遮った。
「わたし降谷くんとのこと、もっともっと知りたくなっちゃった。
ね、よかったら降谷くんのこと何か分かったら教えてくれない？」
「え？」
「なんでもいいの！ 好きな食べ物とか、好きなタイプとか。ね、わたしも駒沢さんに好きな人ができたら、情報提供してあげるから」
「……はあ」
「よろしくね！ わたし、駒沢さんのこと友達だって思ってるから」
友達、という響きに、一瞬くらりと目が回った気がした。
友達？ こんなに可愛い人と、わたしが友達？
なんだかよく分からない気持ちだ。
友達……ずっと欲しかったものだった。しかしいざ白鳥さんにそう言われてみれば、戸惑いが先に浮かんでくる。
「あ、ありがとう…」
お礼を言っておいた方がいいんだろうか、と思い、頭を下げると、白鳥さんは「お礼なんて言わないで」と優しくわたしの肩を撫でた。
「じゃあ、またね」
気がつけば、授業は終わりに近づいていた。
整列の号令がかかり、わたしも慌てて列に並び直す。
白鳥さんが喋っていたせいで、後半はほとんど技の練習をしていない。大丈夫だろうか、と心配になりつつ、心の奥で「優しくない」というあの言葉が、ちりちりと消えずに燻っていた。
●
「おい、待てよイリゴマ」
ぞろぞろと体育館を出て行く人混みに混じって、わたしも歩き出していたが、よく耳に聞く声にぴたりと足を止める。
やれやれと振り返ると、案の定腕組みしてこちらを睨みつける松田くんと、その後ろで何やら必死に宥めている萩原くんと伊達くんがいた。
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あやちゃん(プロフ) - 海星さん» 面白くて何回も読ませてもらっています！続きがくるのを楽しみにして待ってます！ (2020年3月27日 20時) (
レス) id: 60d90b2065 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - あの、ずっと更新停止されてますが大丈夫ですか？ (2020年1月13日 7時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
桜 - そうだったのですか…。安心いたしました！テスト頑張ってください^^ (2019年11月27日 18時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 桜さん» 心配していただいて、ありがとうございます…今テスト中で。更新がゆっくりになってます。すみません！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: 4bcc115d21 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 最近、更新がありませんが体調など大丈夫でしょうか？とても心配です…… (2019年11月27日 0時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年11月9日 13時
