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 さっきの子だ、と思い出す。
 わたしと同じように、降谷くんを投げ飛ばすことができなくて泣きそうになっていた子。
 間近で見ると、なんて可愛らしい人なんだろう。
 栗色の髪の毛を高めの位置で一つに結び、垂れた大きな目や、ばさばさした睫毛、真っ白い肌、華奢な体格。
 お人形みたい………。

 ごくんとその子の美しさに息を飲んでいると、「わたし、白鳥アユカ。よろしくね」と小さく微笑みかけられた。

「こ、駒沢Aです…よ、よろしく……」

 たじたじになりながら、必死で挨拶すると、くすくす笑われた。

「緊張してるの? 大丈夫よ。わたし、柔道苦手だもん」

「そ、そうなんだ……」

「さっき降谷くんが相手でね…、ほんと大変だった。カッコ良すぎて投げ技どころじゃないんだもん」

「そ、そっか……」

 どうやら今度は組み技の練習らしい。
 白鳥さんが、わたしの柔道着を柔らかくつかむ。

「駒沢さんも柔道苦手なんでしょ?」

 えっ、と驚いて白鳥さんを見ると、悪戯な笑い声をたてる。

「だって、さっき投げ飛ばせなくて困ってたじゃない」

 見られていたらしい。
 そ、そうだね、なんて曖昧に笑い返す。

 白鳥さんはわたしの返事が曖昧なことには全然気にならないようで、わたしにその可憐な顔をそっと近づけた。

「ねえねえ、駒沢さんって、降谷くんと知り合いなの?」

「あ、う…まあ?」

 嫌われてるけど。
 心の中で付け足すが、白鳥さんは、きゃあ、とわざとらしい悲鳴をあげた。

「うそっ! 羨ましい……いいなぁ。大学とかで同じだったの?」

「いや……降谷くんの友達と…」

 言い終える前に、白鳥さんが意を得たりというように口を挟んできた。

「知り合いなのね。知り合いの知り合いってことでしょ? いいなぁ。降谷くんってどんな人?」

「さ、さぁ……」

 どんな人って言われても。
 まだ知り合って、そんなに経ってないし。
 なぜかやたらと絡んでくる松田くんや萩原くんはともかくとして、降谷くんと喋ったのは、この前の身体測定が最後である。だいたいいつも諸伏くんと一緒にいる降谷くんは、松田くんたちとはなんだかんだウマが合うようで、騒がしくしているのはよく見るのだが。

 せっかく話しかけてきてくれた白鳥さんの質問を無下にはできなくて、必死に考えたが、思いつかない。
 しかし白鳥さんは、答えられないわたしに、なぜか満足げに、

「そうよね。降谷くんって、ちょっとミステリアスだもん」

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あやちゃん(プロフ) - 海星さん» 面白くて何回も読ませてもらっています!続きがくるのを楽しみにして待ってます! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 60d90b2065 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、ずっと更新停止されてますが大丈夫ですか? (2020年1月13日 7時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
- そうだったのですか…。安心いたしました!テスト頑張ってください^^ (2019年11月27日 18時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 桜さん» 心配していただいて、ありがとうございます…今テスト中で。更新がゆっくりになってます。すみません! (2019年11月27日 16時) (レス) id: 4bcc115d21 (このIDを非表示/違反報告)
- 最近、更新がありませんが体調など大丈夫でしょうか?とても心配です…… (2019年11月27日 0時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2019年11月9日 13時

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