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ひくっ、と喉がなる。
諸伏くんがどんどん青ざめていく。ごめんね、と心の中で思いながら、それでもとまらない涙に途方に暮れていたら、「おい」と低く唸るような声が聞こえていた。
声をした方を見ると、ポケットに手をつっこんでこちらを、というか諸伏くんを睨みつけている松田くんと萩原くんがいた。
「……おまえ、何やってんの？」
凄みのきいた松田くんの声は、聞いたこともないほど狂暴な響きだった。横で萩原くんが無表情で腕組みして、やはり見たこともないような冷えきった目つきで諸伏くんを睨んでいた。
「……なんだ、おまえら」
明らかに普通ではない気配を感じとった諸伏くんが、さきほどまでの焦った表情を消し去って、わたしを二人から隠すように立ち塞がった。天然な彼の、どこにそんな根性がそなわっているのか、二人を相手にしても動揺した素振りも見せない諸伏くんに、状況も忘れて「すごー」と感心する。
「別に。連れがなかなか帰ってこねえもんで、様子見に来ただけさ。で、何やってんの？」
「……お前こそなんなんだ、関係ねーなら向こう言ってろ。見せものじゃねえんだぞ」
「おいおい、その言い方はないんじゃねーの。女の子泣かすのはよくないでしょ」
萩原くんがいつものヘラヘラした声で言ったが、依然として目は据わっている。
「……俺が泣かしたわけじゃないんだけど」
「よく言えるな、この状況で。表出ろよ」
松田くんがツカツカと歩みよってきて、諸伏くんの胸倉をつかむ。諸伏くんも負けじと松田くんの胸倉をぐいっと掴みあげた。
松田くんより少しだけ背の低い諸伏くんが、恐れもせずに相手を睨みつけたのを、松田くんは「へええ」と感心したような声を出す。
「おもしれえ。怪我が重くて病院から出られなくなっても文句言うなよ」
「俺じゃないって言ってんだろ。この単細胞が」
「あ？」
プツッと松田くんの理性スイッチが切れた音が聞こえた気がした。
わたしは慌てて松田くんと諸伏くんの間に割って入ろうとする。
「ちょ、違うから！ ほんとに諸伏くんのせいじゃないから！ むしろ諸伏くんは助けてくれて……」
「しらねえ。どっちでもいい。こいつは一発ぶん殴る」
「松田くん！」
理不尽なことを言い出した松田くんに思わず怒鳴ると、後ろから「やってみろよ」と声が聞こえた。
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あやちゃん(プロフ) - 海星さん» 面白くて何回も読ませてもらっています！続きがくるのを楽しみにして待ってます！ (2020年3月27日 20時) (
レス) id: 60d90b2065 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - あの、ずっと更新停止されてますが大丈夫ですか？ (2020年1月13日 7時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
桜 - そうだったのですか…。安心いたしました！テスト頑張ってください^^ (2019年11月27日 18時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 桜さん» 心配していただいて、ありがとうございます…今テスト中で。更新がゆっくりになってます。すみません！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: 4bcc115d21 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 最近、更新がありませんが体調など大丈夫でしょうか？とても心配です…… (2019年11月27日 0時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年11月9日 13時
