ある青年の手記_____1 ページ24
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● ● ●
俺の昔の話をしよう。
ずいぶん唐突だと思うだろうか。
でも過去を思い出す時なんて、だいたいそんなものだろう。違うかな？
ふとしたことが引き金となって、錆び付いた記憶の引き出しが開かれるのだ。
そして、糸をたぐるようにして、全てのことを思い出す。
俺は、前世、たった一人の家族に育てられた。
母だ。
俺に父親はいない。母親が、俺にとってただ一人の家族だった。
俺がこの手記を書き始めた理由を、ここで多く語ろうとは思わない。
ただ、俺は本当はここにいるべき人間ではない。
その事実に目を背け、嘘をつき、騙し続けてきたツケが今、俺の未来を蝕もうとしている。
それが理由だと書いておく。
そう、俺は今、代償を払おうとしているのだ。
そしてそれを払い終えたとき、自分がどうなってしまうのか、俺には全く分からない。
俺が俺で無くなってしまうかもしれない。あるいは何も変わらないのかもしれない。
もし何も変わらなかったなら、それでもいい。
けれども、俺が取り返しのつかないほどに壊れてしまったとき、この手記を読んでいるあなたに、どうか一つだけお願いしたいことがある。
どうか、俺のことを見捨ててほしい。
俺を、もう、以前の俺だと思わないでほしい。
そして、全く別人になった 「彼」 を受け入れてあげてほしい。
それが、俺の願いだ。
それが、本当に正しいことだと信じている。
前置きがずいぶん長くなってしまった。
ここから先は、誰も知らない物語だ。彼が、彼になる前の。
●
それでは、昔話を始めよう。
俺の本当の名前は、ひかる。
真嶋光、だ。
十七年間、母に育てられ、
そして十八の春、俺は父親に殺された。
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
