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《狩るべき相手を、見誤らないでいただきたい》
冷静な声が、水をうったように静かな部屋に、どこか皮肉っぽく響いていた。
どうやら電話の相手が変わったらしい。
降谷さん、降谷さん、と以前焦ったような声が聞こえる電話を拾い上げ、安室_______いや降谷零は、さきほどの狼狽した表情を消して、高圧的に一言呟いた。
「作戦は中止する_________撤退しろ」
電話を切り、ソファの隅で戸惑ったように自分を見つめる沖矢。
自分が刺し違えても葬り去りたいと思う、憎い男の威厳など、目の前の青年にはない。いや、むしろ彼は……
考えこんでいたら、そっとティッシュペーパーを手渡された。
ぽかんとして沖矢を見つめると、彼は軽く咳払いする。そして自分の口にティッシュをあてがうと、優しく血をふきとった。
「………沖矢さん」
「お話は終わりですか？」
「………」
降谷は一瞬俯いて考え込んだ後、ふっと不敵な笑み浮かべた。
「なるほど。これもあの少年の作戦か……？ いっぱい食わされたな…」
「はい？」
「とんだ失礼をしました、沖矢昴さん……いえ、Aさん…」
今度こそ、正解ですよね？ と微笑む降谷に沖矢はこてんと首を傾げた。
「いえ……あの、違います。わたしは沖矢昴です」
「まだ誤魔化しますか？ そうじゃないと説明できないんですよ、このトリックは……赤井のかわりに、あんたが沖矢昴に成り代わってるんだ、そうでしょう？」
「困りましたね……本当に違うのですが」
降谷は沖矢の胸ぐらを再びつかむ。咄嗟に抵抗するように手を差し伸べた沖矢を、もう一度ソファに押し倒す。
形の良い唇が、沖矢の耳元にそっと押し当てられた。
びくりと沖矢の肩が震える。
「ここで裸に剥いてもいいんですよ………あなたの裸は一度見ている……隅々まで調べれば思い出すでしょう」
「ま、待ってください…本当に違います！」
「………おしゃべりは終わりだ」
低い声が発せられ、太ももで体を押し付けられて、沖矢は身動きがとれない。
服がびり、と破れる音がした。思わずひっと声がもれる。
降谷が目を細める。
沖矢は必死に空いた方の左手で、机の上におかれたリモコンのスイッチをおした。
ぴんと張り詰めた部屋の中に、場違いなように軽いメロディが流れだす。
《それでは、アカデミー賞を受賞した本作の原作者、工藤優作氏の長男、Aさんにも一言インタビューです！》
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
