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某日某所_____________________。
黒塗りのワゴン車が数台、闇夜に紛れるように、ある大きな屋敷の前で静かに停車した。
こつん、とコンクリートを踏みしめる革靴の乾いた音がする。
ワゴン車の中から、ベスト姿の背の高い男が降りてくる。＿＿＿_______安室透、だ。
いや、今の彼は…………、
「…あとは手筈通りに」
「はい、降谷さんもお気をつけて」
ワゴン車の中で、スーツ姿の男数人が、安室に向かってそう返答する。
それには答えずに、彼は屋敷の目の前に立つと、呼び鈴を鳴らす。屋敷の門の脇には、工藤、と書かれた門札。
そう、ここは工藤邸である。
はい、と若い男の声がして、扉が開いた。
安室よりやや、高い背。細い目にメガネをかけ、マスクをつけたその男は、安室を一瞥して、首を傾げる。
安室は、ゆっくりと微笑みを浮かべた。
「こんばんは。初めまして、安室透です」
ズボンのポケットに手を突っ込み、やや横柄な態度の安室透に、屋敷から出てきた男＿＿＿沖矢昴は、はぁ、と間の抜けた声を出した。
「でも、"初めまして" じゃありませんよね？」
「…はい？ どういう意味です？」
「ふふふ、まあいいですよ。少しお話したいのですが……中に入ってもよろしいでしょうか？」
沖矢はふむ、と考え込むような素振りをしてから、あっさりとうなずいた。
「ええ、構いませんよ……そのかわり外にいらっしゃるお連れの方はご遠慮ねがいます」
外で待機しているワゴン車は、すでに屋敷の目の前にはなく、少し離れた場所で待機しているはずだった。
安室の＿＿＿いや、降谷の部下が数人、屋敷の周囲を取り囲んでいたが、彼らはこの手の仕事に長けたプロであり、気配を気づかれるなどありえない。それにどちらにしても、たった今屋敷から出てきた沖矢に、部下の姿が見えるはずなどなかった。
やはり、な。ひそかに笑う。
安室はぴくりと眉を動かしたが、口元にはりつけた笑みは微動だにしない。
睨むように数秒見つめ合った後、「もちろんですよ」と安室はうなずいた。
「ではどうぞ…大したものもありませんが…。そのお話とやらをお伺いしましょう…」
安室を静かに招き入れ、屋敷の重たい扉がゆっくりと閉まった。
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
