守ってください赤井さん！！！3【名探偵コナン】

episode101 ページ11

「計画、殺人……」

思わず呟いた私に、赤井さんはそうだ、とうなずく。


「そもそも事の発端は、トラックに轢かれて死んだ女子高生だ＿＿＿名前はなんて言った？」


「ええ、と……」

確かミズシマがピストルを取り出したとき、『リリカの時には使えなくて残念だった』と……

「リリカ、って名前だっと思う」

「じゃあリリカでいこう。
リリカは二年前の当時から、おそらくミズシマと交際関係にあった」

「なんで分かるの？」

唇を尖らせた私を、赤井さんは「まあ聞け」とたしなめる。

「高木刑事が言っていたんだろう？ 三宅雪子は元彼の彼女に嫌がらせされていたと」

「そういう噂があったみたいなことは言ってたけど…」

「その噂が真実だったとしたら？
三宅雪子は当初、ミズシマと付き合っていた。そのミズシマと別れて、今度はタナベと交際を始めた。二年前のことだ」

「………それで？」

「よくある話だ。君の話を聞く限り、写真で見る三宅雪子は本気でタナベに惚れていた。ミズシマへの未練など、これっぽっちもなかった。
しかし、いくら本人がそう言ったところで、それを信じない＿＿＿信じられない者もいる」


例えば、今の恋人、とか。

女子高生の少女は、歳上の彼に夢中になる。幼い心らしく、自分だけ見ていてほしいと願うだろう。しかしそんな時、彼に以前付き合っていた女性がいると知る。

いくら彼が別れたと言っても、彼女は信じられない。
あるいは、ミズシマの方にはまだ三宅雪子への未練があって、それをリリカは感じていたのかもしれない。

そのとき、未熟な少女の愛は激しい憎しみへと変わる。


「最初は些細な嫌がらせだったかもしれない。しかしそれはじょじょにエスカレートしていった。
やがて彼女は恐ろしい遊びを思いつく。
ミズシマをそそのかし、トラックで三宅雪子を襲うように仕向けた」

「トラックで、襲う……？」

「当然、ターゲットが三宅雪子だということは伏せて」

ねえ、面白いアソビがあるの。
ちょっとトラックで、人を追い立ててみるの。
＿＿＿＿＿＿どう？


「君の話を聞く限り、ミズシマは暴力的で、少なからず人を殺したい願望があった。
リリカがそれを知っていたのか、それは分からない。
だが、ミズシマの異常性には、何となく気がついていたかもしれない。
どちらにしろ、ミズシマはその『遊び』にのった」

episode102→←episode100

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す