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ジャックザリッパー編4 ページ4

うわあ、めっちゃドン引きされてるっ。そりゃそうだよな。ドン引きだよな。ごめん安室さん。

「……別にいいですよ。着てても」

「え?」

安室さんはさっと視線をそらすと、「帰りましょうか」と言った。

「え、えっと……」

「今日は何が食べたいですか? リクエストしてください」

「きょ、今日はもう、いいですよ…安室さん、疲れてるでしょ? 家に帰って寝てください」

「Aさんとご飯を食べたいから、いいです」

「よくありませんよ。今日はダメです」

思わず強い口調で返してしまうと、拗ねたように安室さんがそっぽを向いた。

「僕が良いって言ってるじゃないですか」

「……安室さんがよくても、私がダメなの。とにかく今日は休んでください。ご飯はいつでも食べれるから」

「じゃあ、明日」

「今日、ちゃんと休んでその隈が取れてたら、いいですよ」

「……分かりました。約束ですよ」

立ち上がり、それでも、ホテルまでは送ります、と断固とした口調で言う安室さんに仕方なく送ってもらった。

「……カーディガン、ありがとうございました」

安室さんに、車の中で脱いだ上着を返す。

「……可愛かったです」

「はい?」

安室さんが少しだけ、頰を赤くした。

「可愛かったですよ、Aさん」

一瞬、何のことを言われているのか分からなくて。
言葉の意味が理解できた瞬間、私の頰もかっと赤く染まった。

「な、な、なにいってるんですか」

「なんでしょうね」

「冗談やめてください」

「……冗談じゃないです」

「………」


くっ、何その微妙な間。

今までだったら、「そんなことないです可愛いです」なんてしれっと言ってたくせに。何で今ちょっと躊躇ったんだ。

「お、送ってくれてありがとうございます」

「……いえ」

安室さんの頰が赤い。
私の頰も多分、赤い。

「ちゃ、ちゃんと寝てくださいよ!!! 寝なかったらご飯食べませんからね!!!」

「……分かりました」

車を出て、早歩きでホテルまで戻る。背中に安室さんの視線を痛いほど感じたけど、振り返ることはできなかった。

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- え、え、、突き落とされて刺されそうになったのに許す意味が分からない…周りのみんな甘ちゃん過ぎる… (2022年6月11日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になって読んじゃいました。よろしくお願いします。 (2019年2月7日 9時) (レス) id: 16ee8f1076 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - salomeさん» ハマっていただけて、本当に嬉しいです……! 更新頑張れます! ありがとうございます! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
salome - いつも見ていますこの小説かなりハマりました更新されるたびに面白く感じたりハラハラドキドキしたり今回夢主がストーカーに刺されて重症になって安室さんも夢主に対して自覚からマジ恋に目覚めて夢主早く意識覚まして安室さんを安心させて欲しい (2018年5月17日 14時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 秋都さん» 朝から嬉しくて号泣です……ありがとうございます……! (2018年5月17日 7時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2018年5月2日 21時

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