康二くんと大人な涼太くん (ページ1)

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何気ない朝の通学風景と思いきや、俺の隣には涼太くんが居る。

向「ふふ、涼太くんかっこええ。」

宮「うるさい。黙って座ってて。」

電車だからって俺の腕を軽く叩いて声のボリュームを小さくするよう催促するのはジャケットを羽織って大学へ向かう途中の涼太くん。

やっぱり高校の制服で隣に座るのはふさわしくないと思いつつ、遠慮なく涼太くんを見つめさせていただく。

向「涼太くん今日シフト入ってるん？」

宮「康二の上がる二時間前に終わるかな。」

そっかあ、とわざとらしく肩を落としてみるけど何も言わない涼太くん。

ほんま酷い男やわぁ。

とか言いつつ、こんなかっこいい素敵な大人の涼太くんと付き合えて、ましてやバイト先まで一緒なんて俺の心臓が持たへん。

最初は付き合ってもらうのにも精一杯やったけどな。

頑張ったぞ俺。

宮「康二、降りるよ？」

涼太くんに手を引かれて、慌てて降車駅だと気づく。

駅を出てしばらく歩くと、俺の通う高校が見えて来た。

宮「じゃあ、またあとでね？」

向「いやや。離れたくない」

ちょっと子供らしく駄々を捏ねてみると、涼太くんは今日うち来ていいから。と短く付け足した。

向「ほんま！？ほな、いってきます！」

涼太くんに手を振って、駆け足で校門に足を踏み入れた。