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「久しぶりじゃねーかA。
俺はお前がおっ死んじまってるもんだと思ってたよ。」
まさか
そう言う高杉がAの手首を握るのを強くしているのが時折手首から聞こえる
ぎり、ぎ、
という音から伺える。
思わずAは顔をしかめた。
「っ、悪ィ」
慌てて手の力を緩めるあたり、やはり高杉は根は優しいのだろう。
ーーーA相手だからかもしれないが。
「…いや。
でも、私も思ってなかったよ。まさか晋助が未だに攘夷なんてモンやってんなんて。
……いつまでそれに気ィ取られてんだ。」
キっ、とAの菫色の目が高杉を睨んだ。
「…テメェこそ。幕府なんざについて、なんのつもりだ。お前ェには聞こえねーのか。
幕府に裏切られ死んでいった、仲間の声が。」
そう言われたAの閉じた瞼の裏に広がったのはあの時の記憶。
ーーー忘れているわけがなかった。
「あんたの気持ち、わからなくもないよ、晋助。
……でも、そのままその憎しみ持ったまま生きていくわけにはいかない。
アイツらが、それを喜ぶとは私は思わない。それに私は助けてくれた人を裏切りたくない。」
翡翠色の目と菫色の目が交差した。
互いに言葉を間違えぬように。
互いに距離を変えないように。
「……そうか。」
Aに背中を向け、高杉が言った。
「だが、次会った時は容赦しねーよ。オメェを彼処から攫いに行く。
たとえテメーの恩人からでもな。」
そう言う、ひどく寂しげな背中に思わずAは声をかけた。
「…悪ィ」
背中を向ける高杉に海鈴が言った。
「……ーーー」
「!」
慌てて振り返った高杉の前にはもう海鈴はいなかった。
「…結局おめェが一番、
高杉の口からふとこぼれた言葉は、誰にも拾われることなく、風にさらわれた。
、
、
(ーーー私が背負うべき
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iMAi(プロフ) - 壊さん» 4ヶ月越しに失礼します。作者です。…よくお気づきになりましたね…!?まじでか!神楽というより…に寄せております!うふふ (2月28日 22時) (レス) id: bb9de99c57 (このIDを非表示/違反報告)
壊(プロフ) - イメ画、なんか…神楽ちゃんに似てる?きもしなくもなくもなくもなくもない(?) (10月26日 7時) (レス) @page11 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
iMAi(プロフ) - ボブさん» ボブ様コメント、及びこの作品を目に留めてくださってありがとうございます^_^面白いですよね…推しが尊くて…よかったらそっちのお話も読んでみてください…。ありがとうございます!銀魂アニメ再放送するらしいので多分その時期から更新頻度上がります!頑張ります! (2020年9月11日 18時) (レス) id: 52884729d8 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - わ!面白い!銀魂の作品漁ってたら出てきました!!某ディズニーのゲーム私もハマってます!!面白いですよね!!ご自分のペースで更新頑張ってください!待ってます! (2020年9月10日 21時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
iMAi(プロフ) - あいうえおさん» コメントありがとうございます!頑張って更新します!更新滞ってしまってごめんなさい!!そして面白いって言ってくれてありがとうございます!!! (2019年8月25日 15時) (レス) id: 85e092a031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:iMAi | 作成日時:2018年11月7日 16時