本命には素直になれない御影くん。【ブルーロック/御影玲王】

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「……は」

「ねぇ、玲王さっきは」

「なんで」

「え」

「なんで、居んだよ」


少年は、突き放すようにそう言った。少女が悲しそうに少し下を向く。けれど、すぐに顔を上げて少年の目に視線を合わせた。


「謝りにきた。」


少女の目は真剣だった。


「……はっ、謝るって何をだよ。別に何も謝られることなんか……」

「やったよ。……やった。酷いこと、言った。」

「……気にしてねーよ」

「嘘」


少女が俯く少年の顔を引き寄せる。反らされた視線がまた交わされる。きらきら、うるうるとアメジストの瞳は少女を掴む。


「嘘吐くとき、玲王って目合わせないよね。……昔からずっとそう。辛いときとか、悲しいときとかもそう。目反らして、なかったことにしようとする。」

「……なんで」

「知ってるよ、幼馴染みだもん。」


じわ、と溢れる涙。今、どんな顔をしているだろうか。間抜けだろうか。隠したい、隠せない。


「……聞いて、玲王」

「……」

「私もね、さっき嘘ついた」

「……」

「酷い嘘。……自分の心からも、玲王からも目を背けた、最低な嘘。」






だから、これは償いね。






ちゅ、と小さく音がした。



「大好き。……これは、嘘じゃないから。」



キーンコーン、カーンコーン。
予鈴の音は、聞こえない。



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