そして続編へ......(グロ表現注意) ページ38
別に私はスリルとかに飢えているわけじゃない。
なぜそっちからやってくるのか理解ができない。いや首突っ込んだのはこっちだったんだけど。かもネギってやつじゃん?
しかしこの危機的状況はどう解決すればいいのか。
(解決?そんなもんよりまず自分の命を優先してさっさと逃げろ)
残念。足が動かない。
(隠れるところを探せば?自分だけでも助かれば)
無念。こんな暗くちゃ隠れるところが見つからない。しかも先輩を置いて自分だけが助かるなんてできるかっつの。
(置いていかれるのは、もう散々)
手拭いを口に押し込まれて声を出すことはできない。目の前で気絶している風花先輩を起こすことは不可能だ。
暗い廃屋の隅で、静かに考える。必死で頭を巡らせて、震えている体でどうすれば逃げられるのかを。
(脳味噌が空っぽのクセに?)
充満した生臭い血の匂いにクラクラしながら、なんとか平静を保とうとする。
人気のないことを確認して、拘束が緩い縄を隠していた忍具で切った。女子だからって油断している?......違う。跡が残らないようにする為だ。
一応手ぬぐいは取らない方がいいかもしれない。戻ってこられたら厄介だ。
ぴちょん、ぴちょんとなにかが滴る音がなぜか耳に障る。おかしいな。雨は降っていないはずなのに。
......気づけ、認めろ。こんな生臭いものが雨なわけない。墓地から漂うようなあの匂いが、合戦場に滞るような匂いが、雨なわけが。
震える足で立ち上がろうとすると、“なにか柔らかいもの”を踏んで滑ってしまった。あっ。
受け身をとる間もなく大きな音を立てて頭からすっ転んだ。
痛い、と思いながら何を踏んでしまったのか。頭を抱えながら踏んでしまったものを見る。
格子の外は薄暗い。多分夕方になるのだろうか。部屋の中も闇に慣れてないとよく見えないだろう。
(普通の村娘じゃないことを、これほど後悔したことはいない)
闇目が裏目に出た。ヒュッと乾いた喉が震えた。
踏んだのは、綺麗な布だった。花が刺繍されていて、綺麗な浅葱の、......血がこびりついていなければ、だけど。
その持ち主であっただろう娘は目を冷ますことはないんだろう。濁った目は開いたままで、コッチを見ているような錯覚が起きる。
いずれアナタもこうなるのよ、と。
口、喉、腹、手足。全て裂かれて、暴かれて、屠られて、死ぬほどの痛みを味わって殺されるのよ、と。
(人生ハードモードすぎて笑えない)
第2章「命大事に」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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苺たると(プロフ) - 涙腺ゆるゆるにして見てました…。こういうネタ大好きなので嬉しいです!更新楽しみにしてます! (2020年6月29日 21時) (レス) id: 4ddd192ae6 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - MadHatterさん» ありがとうございます!この小説を楽しみにしていただけたら幸いです!無理をせずゆっくり書いていきたいと思います! (2018年3月23日 18時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
MadHatter(プロフ) - ボロボロ泣きながら拝読させて頂きました。続き楽しみにしております。無理だけはなさらないでください。 (2018年3月23日 2時) (レス) id: 17134202e7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - ざわさん» ありがとうございます。3月以降から本格的に更新を再開したいと思います。今回は生存報告としての今の現状とお話をあげさせて頂きました。引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
ざわ(プロフ) - ドキドキしながら一気読みしてしまいました! この作品大好きです!素敵な小説をありがとうございます。受験はもうラストスパートでしょうか?お勉強頑張ってください!このコメントが届いているかどうかわかりませんが、心から応援しています...! (2018年2月6日 23時) (レス) id: c9576dec0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこうどん | 作成日時:2017年7月3日 22時