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次の日。
朝起きると、隣に忠義はいなかった。
歯磨きと洗顔を済ませてからリビングへ入ると、
忠義はソファに座って水を飲んでいた。
大「…おはよう、A」
「……うん、」
まだ怒りが鎮まっていない私は可愛い返事ができなかった。
大「なぁA…ここ、座ってくれへん？」
どうやら忠義は昨日の記憶が少し残っているみたい。
申し訳なさそうな顔でソファの空いているスペースを指差している。
私は素直にそれに従った。
大「昨日は…ごめん」
「…うん」
大「めちゃくちゃ酔っ払ってもうて、迷惑かけたよな」
「それだけ？」
大「…えっ？」
「ごめん、って思ってるのは、酔っ払って迷惑かけたことだけ？」
大「っ…」
「それだったら、和佐さんにも謝らないといけないと思うけど」
可愛くない私は、昨日の女の人の名前を出す。
すると忠義は面食らった。
大「っえ…和佐ちゃん来たん…？」
「…覚えてないんだ」
大「いやっもう…ほんまごめんA」
「お大事に、って言ってたよ」
大「…和佐は俺の直属の後輩で、」
「分かってるよ。和佐さんもそう言ってた」
"和佐ちゃん"
そう呼ぶ忠義にも腹が立った。
…ただの先輩と後輩の関係だってわかってるのに。
「あと、横山さんも。
…先輩に迷惑かけちゃダメだからね」
大「まじか…もう俺あかんわ」
「うん…ダメだね。
私にも一切連絡くれなかったよ。
すっごく心配して、大丈夫かなってずっと落ち着けなかったのに、帰ってきたと思えば女の人と一緒だし」
大「…」
「結構、怒ってる」
私がそう言うと、隣の忠義は私の前で頭を下げた。
大「二度とこんなことせえへん。
ほんまにほんまにごめん」
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作者名：樹凛
| 作成日時：2021年4月30日 16時
