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微かに漏れた声は村上くんの耳に届いたみたいだった。
村「…ん?」
村上くんの視線が私を捉える。
「っあ…」
村「んー?誰やろ?
ごめん、俺目悪くてあんま見えへんねん」
村上くんは目を細めながら私に近づいてくる。
そして私の目の前に来たとき、細めた目を丸くして口を開いた。
村「…内海?」
すごく嬉しかった。
一目で私だと分かってくれた。
村「え…あん時の…?」
村上くんが驚いたのは一瞬。
村「…めっちゃ綺麗なったな」
村上くんは穏やかな表情でそう言った。
その声色があまりにも甘く優しく、溶けそうになる。
こんな反応をしてくれると思わなくて、私は面食らった。
これまでの男子は、ただただ騒いで、みんなに言いふらして、横目で私を見たのに。
村上くんは180度違う。
「…ありがとう…」
なんだか泣きそうになって、声が涙ぐんでしまう。
村「みんな大人っぽくなってるから全然わからんねんなぁ。
俺なんかぜんっぜん変わってへんやろ!?笑」
「…村上くんも大人っぽくなってるよ」
村「嘘ぉ?どこがやねん〜」
「髪の毛、茶色になってる」
村「そんだけかい、笑」
村上くんは全然私のダイエットのことに触れなかった。
むしろ笑って和ませてくれる。
その優しさに心がほっこり温かくなった。
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樹凛(プロフ) - やんさん» コメントありがとうございます。本当にモチベーションに繋がるので感謝しかないです(;;)村上さん話また描く予定ですのでこれからもよろしくお願いします! (2021年1月9日 2時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - 今回もすごくキュンキュンしました!また村上くんのお話お願いします!いつも楽しみにしています!よろしくお願いします! (2021年1月8日 22時) (レス) id: 251f0f2ecb (このIDを非表示/違反報告)
樹凛(プロフ) - やんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!応援よろしくお願いします^^ (2020年11月9日 11時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - 前回の作品、おもしろかったです!今回も楽しみにしています! (2020年11月8日 18時) (レス) id: 251f0f2ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹凛 | 作成日時:2020年11月8日 13時