○絶句したインフルエンサー(齋藤飛鳥) ページ20
➤歌番組インフルエンサー前
事が起こったのは歌番組前のリハーサル。
確認のためにモニターでみたその映像に私は失望した。
これでは、披露できないと思って
楽屋に帰る途中、飛鳥ちゃんに話しかけた。
「あすちゃん、ちょっと話があって…」
飛鳥「ん？どうした？」
「さっきの通しの事なんだけど…」
飛鳥「…やっぱり思ったよね」
「ぅん…酷すぎるよあれじゃあ」
飛鳥「でもさあ、今更どうしようも出来ないよ」
「じゃああんな酷いので披露する…？」
飛鳥「仕方ないよね」
「…そんなんじゃ意味ないのに…」
飛鳥「でもウチらが悩んでも仕方ないことなんだよ…」
「やだよ、あすちゃん…
こんなんじゃ、やっぱり乃木坂下り坂って言われる…」
飛鳥「っ…」
「お願い…今からでも直せるところは直したい…
3.4期には私が言う…だから…」
飛鳥「分かった、急ごう」
1.2期、3.4期ってわかれてる楽屋だったから
それぞれに伝えることにした。
.
.
「時間ないから、率直に言うね…
あんなインフルエンサーじゃ披露する価値なんてない。
ダンスにキレもない、ターンの仕方、
首の残り方、表情一つ一つにしたってそう。
歌ってないのに動きも揃ってない。
こんなんじゃやっぱり乃木坂…ダメになったねって
言われるだけだよ。
やっぱり、麻衣ちゃんやななちゃんが抜けて下り坂だねって言われるのが目に見えてる。
選抜に居られること、当たり前じゃない。
テレビ番組に出られること、当たり前じゃない。
自分が今ここにいること、当たり前じゃない。
私は常にそれに向き合いながらパフォーマンスしてる。
乃木坂が乃木坂で居続けるために、ファンの方に喜んでもらうためにパフォーマンスしてる。
みんなはどう思ってここにいる？
そういうこと、考えてる？
当たり前だって思ってない？
みんなにも…もっとちゃんと向き合って欲しい。
ただ、決められたフリ踊るだけなら、
代わりなんていくらでもいるよ。
この場に立ちたいメンバーだって沢山いるの。」
「偉そうでごめん。
でも、乃木坂にとって大切な曲のひとつだから。
分からないところとか…
どうしたらいいのかとかあったら
言って欲しい…
時間、ないからもっと練習してほしい。」
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作者名：ニノン | 作成日時：2021年9月29日 12時
