私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第85話「私は君の、永遠なるメイド」 ページ49

.



ドクダミもちょっとずつ味が出てきた。ヘドロと鉄と青臭さを混ぜ合わせた味。そのままごっくん。


後味が最悪すぎてゲロ吐き出しそうになった。




「A。もし、外れかけた君の首輪を僕が繋ぎ直すって言ったら、君はどうする？」



………うん？つまり、それは。



「君のペットになるってこと？ウェッ」

「うーん、まあ、近いところ。吐くならもっと遠くに行ってね。でも僕の視界に入るところで」

「う"、……大丈夫落ち着いた。因みにおやつは出ますか」

「好きな時に好きなタイミングで好きなだけ与えよう」



「私、悟お坊ちゃまの犬になります！！！！」



声を張り上げ挙手。
それなら大賛成、私の命は君のもの。そして君のおやつは私のもの！！！



「そんな意気揚々と叫ぶ内容か？」

「犬も良いけど一応メイドって事にして。世間体は大事だから」





「私、悟お坊ちゃまの専属メイドです！！！！！」





そう叫んだら、何故か悟お坊ちゃまにぎゅっと抱き締められた。
ちょっとメイド、困惑するも温かいので彼の背に手を回す。

そしたら抱き締める力が強くなった。流石に私には怪力が備わってるのでこのまま私も力を込めて背骨クラッシュしたらぶっ殺されると思うので、とりあえず少しだけ力を緩めようとしたらふと、耳元に吐息。





「もう離さないよ。A、覚悟して。


君の過去も今も未来も全て僕のものだ。君はずっと、僕だけに尻尾を振る従順な犬となれ」





まるで呪いのような言葉だった。
まるで縋っているかのような声でもあった。



少しだけ考えて、足りない脳で導き出した私は笑った。





「うん、分かった。私、君の側にずっといる。今度こそ、君の必要な盾にも犬にもなれるように、ずっとずっと側にいる」





死ぬのは嫌だしね。犬と盾になるくらいなら大歓迎。おやつ貰えるし最高。立地案件が素敵過ぎて寧ろ私で良いの？


……あ、良いなら遠慮なく。君の元に永久就職しまーす。
給料とおやつに期待。そして満遍なく駆け回れるような広い庭も欲しい。わんわんお。







その言葉を聞いた彼は口に弧を描き、私の頭に手を当てた。


しかし「何のおやつ貰えるかなあ」なんて考えてた私には気付くことはなかった。





To be continued … … ?

『 あなたと は 』→←第84話「君は私に首輪を付ける」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す