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そして奴は私を囲い、これは薄めの同人誌よろしく縄で縛られあんな事やそんな事をされるんだと思ってたのも束の間、広い部屋の中だけなら自由に過ごして良いとの事で割と充実した暮らしを送っている。
いやもう広いしベッドもふっかふかだしゲームやらなんやら望めば買ってくれるしニー活には最高の立地である。
ただ一つ言われたのは、「僕が側にいない時は絶対部屋から出るな」である。
この男は一体何がしたいのか。考えても答えは見つからず首を傾げる毎日。そして私の記憶もこの男と出会った以前のことは曖昧である。
出て行くなと言う割に彼と一緒ならば外で(値段高めの)ご飯が食べられるし、行きたい所へ何処へでも連れてってくれる。益々彼の意図が分からない。
一度、最早寄生主である彼に「思い出したら私を解放してくれるの?」と聞いてみれば、彼は少し笑って答えた。
「全てを思い出したら、これから自分がどうしたいか、何をするべきか必然的に理解する筈だ。君はそういう子だったからね」
なるほど、分からん。
「了解です悟お坊ちゃま〜」と適当に相槌を打ってベッドに転がった。日々繰り返される充実な暮らしと餌付けで警戒心はほぼゼロである。
あと「悟お坊ちゃま」と呼ぶようになったのは彼にそう言えと言われたからで、決して自分の意思ではない。
こんな顔が良い男も特殊な癖を持つものなんだなあなんて思ってたらデコピンを食らった。読心術か貴様。
「悟お坊ちゃま〜、ご飯おかわりして良い?」
「君って本当食欲が尽きないよね」
「美味しいからしょうがないよね」
「ちょっとは警戒しない?僕が言うのもなんだけど、君は誘拐された身だろ?もしかしたらイケナイお薬が混入してるかも〜とか考えないかな普通」
「もしかしてあなたは私のようなチンチクリンを手篭めにしてイヤンアハンしたい性癖持ちですか?」
「悪いけど僕にも好みってものがあるんでね」
「誘拐犯が何ほざいとんねん」
チンチクリン閉じ込めておいていけしゃあしゃあと。
警戒心皆無で出されたご飯をムッシャムッシャ食べてる私だが、これでも一応念の為に毎朝衣服の乱れが無いかの確認はしている。
いや本当に一応だけど。もしかしたらもしかするかもじゃん?
まあ前にそれがバレて「ごめん、流石に無い」とキッパリ言われた。その日の夜は中々眠れなかったが、まああの顔なら毎日女に困らんわなとかなんとか自分の中で納得したらグッスリ眠れた。
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sou(プロフ) - はじめまして!!読み始めたばかりなのにもうこんなにも進んでしまいました!!基本的に夢小説でのギャグ系苦手なのですが、こちらすっごく面白くて!!これからも最終章行ってきます! (2022年2月11日 16時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
巫礜 - 2章完結おめでとうございます!!とても面白くて一気に読んでしまいましたー!3章も楽しみに待ってます!無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: af56b806d8 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました!展開に置いてかれる悠仁がちょっと面白かったですw3章も楽しみにしてそれこそ犬のように待ってます!! (2020年11月29日 13時) (レス) id: c55596aced (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!いつも通知が来るたびワクワクしながら開かせてもらってます。これからも応援してます!では、お体に気を付けて。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: cfabc7c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 第2章の完結おめでとうございます。いつもはぁはぁ息を荒くしながら見させて頂いております(キモい)第3章も楽しみです! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月23日 1時