第77話「敵さんこちら」 ページ33
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さてやるか。腕捲りをして奴の側によれば、ジジイは「この小娘、殺してやる、殺してやるぞ!!!」と喚き出した。ボールが喋るなよ。
その時、襟首を掴まれグッと後ろに下げられた。
「グエッ」とカエルが潰れたような声を上げて後退すれば、私の目の前に何かが突き刺さる。
「エ"ッ」
「間一髪だね」
「すみません喉まだ締"まっでるぐる"じい"」
「あ、ごめん」
ちょっと半笑いの悟お坊ちゃまにパッと離された。首元キュッてなって一瞬脳内が白み掛かりました。笑い事じゃないんだけど。
突き刺さっていたのはよく分からない2mほどありそうな木の幹のようなもの。甘い香りがした。思わずそれをジッと眺める。
するとどうだろう、その幹を中心に、一気に花が咲き乱れ野ざらしだった地が一面お花畑に変身した。
「うわーお花だー」
「スゴーい」
「キレー」
一気にみんなのI.Qが私同等に落ちて幼稚園児みたいな会話になった。自分で認めてるけど私のI.Qは5です。少しだけ語彙力がついたと自負してます。
後ろから後頭部にチョップを食らった。「惑わされるな」とのお声。お坊ちゃま、メイドはもうちょっと優しい対応を望みます。
すると地面からニョキッと何かが生えた。
ん?と下へ目線を向けたまさにその瞬間、それは突き出すように私に向かってきて、そして細長い木の枝のようなものは形を歪に変形させながら一瞬で私を拘束した。
ビックリしたのも束の間、一瞬でそれはバラバラにされて砕けた木の塊が地面へボトボトと落ちていく。
振り返って助けてくれた悟お坊ちゃまに「ありがとうござ、」と言いかけたところでふと、地面に転がっていた筈の生首が無いことに気付く。
足音がした。恐るべきスピードでここから離れていく。無意識にそちらへ駆け出していく私の足。
「Aっ!!追うな!!」
遠くの方で変な奴を見つけた。
なんだか不思議な既視感がある。そいつに抱えられた生首と目が合った。
あ、悟お坊ちゃまからの命令
「_____ 、」
「え?」
足を止めて追跡を止めようとしたら、前を走っていた奴が振り返った。
その目は、不思議なことに木の幹が突き出していた。
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sou(プロフ) - はじめまして!!読み始めたばかりなのにもうこんなにも進んでしまいました!!基本的に夢小説でのギャグ系苦手なのですが、こちらすっごく面白くて!!これからも最終章行ってきます! (2022年2月11日 16時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
巫礜 - 2章完結おめでとうございます!!とても面白くて一気に読んでしまいましたー!3章も楽しみに待ってます!無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: af56b806d8 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました!展開に置いてかれる悠仁がちょっと面白かったですw3章も楽しみにしてそれこそ犬のように待ってます!! (2020年11月29日 13時) (レス) id: c55596aced (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!いつも通知が来るたびワクワクしながら開かせてもらってます。これからも応援してます!では、お体に気を付けて。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: cfabc7c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 第2章の完結おめでとうございます。いつもはぁはぁ息を荒くしながら見させて頂いております(キモい)第3章も楽しみです! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月23日 1時