「嫉妬ですかぁ?」 ページ41
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「やだっ……見ないでよ、ヘンタイっ」
「違うで非凡。これには訳があるんや」
「おいデジャブじゃねーか」
お次は更衣室にて。
今度は烏が不乱蔦さんに押し倒されていた。
マジでさ、悪戯に風紀乱すなっつってんじゃん。
こちとら秩序守る為なら例え行為中の男女であっても森ん中放り出す所存だからね。
あと何で毎回押し倒された状況を目の当たりにしなきゃいけないんだ。
「担当場所終わったの不乱蔦さん」
「え〜、何ですかその顔〜。嫉妬ですかぁ?せんぱいっ」
「お前らより今朝外で見つけて指の端に止まってくれたトンボが秒で他のトンボの尻にくっ付いた事に嫉妬するわ」
「俺らの営みどんだけ価値無い思われてんねん」
「何でトンボ以下なんや俺は」と嘆く烏。
妥当だろ。
「照れてるんですかぁ?確かにせんぱい、そーゆー経験無さそうだし絶対処/女ですよね〜!」
その言葉に烏の目がこっちを向いた。
普通に頷く私。
「そういうのは20歳になってから、“好きな人と”だろ」
「アンタの昭和みたいな恋愛価値観、俺たまらなく好きやわぁ」
「お前に好かれてもな」
「マジな感じで言うなや。とりあえずAさんの20歳の誕生日は予約入れるんで連絡先教えてくれます?」
「近所の警察署の番号教えとくな」
「いやマジな話、アンタのこと気になっとんねん」
普通に彼女の下から抜け出し私の前に立った烏。
背ぇ高い人間から見下ろされるの、これで何回目だろう。
「退いて」
「LINE教えてくれたら退くわ」
「邪魔だっつってんの」
「……前から思っとったけど、Aさんってマジで男に興味無いんやな」
「毛程も興味無い」
ハッキリ返せば烏はお手上げとばかりに両手を上げた。
「ぶっちゃけた話、アンタに興味持ってる男結構おるで?」
「趣味悪いな。他の女見て考え直せって伝えといて」
「他の女より身近なアンタが一番魅力的や言っとんの」
壁に追い詰められ、顔の横に手を置かれた。
「俺かてその1人や」
「なっ、何してんのよ!!」
激昂した様子の不乱蔦さん。
ゴメンけど構えないわ。
「ま、そーゆー事やで。考えといてな〜」
面白そうに笑いながら去ってしまった烏。
なんて自由な奴だと思わず顔を顰めた。
「後悔するのに」
「……は?」
意味不明とばかりに不乱蔦さんが顔を歪めた。
だって本当の事なんだもん。
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サキ - Ich mag dich じゃなくてich liebe dich です!後は大体あってますけどich mag とich liebe は若干意味が違うので👾気を悪くさせたらすいません🥲 (2023年3月30日 0時) (レス) @page37 id: 1baf0b6a1a (このIDを非表示/違反報告)
ひっぴー - カイザーが最後に言ったドイツ語の文章翻訳したら「面白い…答えます、約束します。」って出たんだがどういうこっちゃ。あ、応援してます! (2023年3月24日 16時) (レス) id: a528653d7b (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月19日 19時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
融点(プロフ) - 第1部とても面白かったです。士道とカイザー推しなのでNnyさんと一緒でした👏🏻恋愛に発展しないのも込みで本当に私好みでしか無かったです。第2部楽しみにしてます。 (2023年3月13日 23時) (レス) @page50 id: 6f6f2e1e89 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 爪楊枝さん» 本当。もう癖になっちゃって自分の更新サボって何回も読んじゃう。二桁行ったのでこれからも読み続ける!(読んだ回数が) (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年2月6日 20時