20.赤面スムーチ！ ページ20
グリムの質問に、トレイ先輩が答える。
長そうだし聞き流しながら、たくさん量があった料理を丁寧かつ素早く食べ終える。食堂をぐるーっと見渡せば、見知った顔がちらほら。
｢(あ、エペルと目が合った)｣
手を振れば、控えめに振り返してくれる。その様子を見てたのか、隣に座るデュースが｢知り合いか！？｣と肩を揺すられた。
｢友達だよ。同じクラスなの｣
｢ほえ〜……美少女が2人なんだゾ｣
｢は？｣
威圧するように一言そう言えば、途端にグリムはブルブル震え出す。パンを持つ手も震えて口周りにジャムをベタベタつける。
｢ふ、ひどい顔｣
口周りが真っ赤になってるおかしいグリムに笑が漏れる。
手を伸ばして召喚したティッシュでそっと拭いてやれば、さっきまでの震えはどこへ行ったのやら。可愛らしい笑顔で笑いかけてくれた。
少し読み進めよう、と召喚して法律を覚える。
｢(火曜日はハンバーグ食べちゃいけないんだ。さっきハンバーグくれた人が居なくて良かったな)｣
ふと、食事後は法律が定まっていただろうか、と考え、該当するページを探す。
｢(あった。……第271条『昼食後は15分以内に席を立たねばならない』…………って、15分！？やばい、今すぐ───)｣
｢ふむ、なかなかに興味深い本じゃ｣
｢……っぇああ？｣
急に声をかけられ、驚いて顔をあげればそこでぽかんと口を開けてしまう。
｢え、さか、ぅえ？｣
｢くふふ、愛いのう。噂では聞いておったが、実物はこうも愛らしいとはな。所詮噂は噂らしい｣
ゆったりとした口調で紡がれる言葉はどこか古めかしく感じるが、所作の一つ一つから上品さを醸し出している。
｢うい……あい……？｣
｢よいよい。こちら側の話じゃ。お主も気軽にディアソムニアに遊びに来るといい。歓迎するぞ｣
黒髪にピンクのメッシュが映えるその人は、僕の顔に自分の顔をずいっと近づけ、鼻にわざとらしくリップ音を鳴らして口付けをしてから、一瞬で消えた。
｢ちょ、なんすか今の！！｣
｢うわー、リリアちゃんも侮れないなぁ｣
｢A、大丈夫か？｣
トレイ先輩が心配そうに僕の様子を窺うが、その唇は愉快そうに弧を描いている。
｢………っこ、こ、この学校って皆キスするの好きなんですか…っ！？｣
顔を真っ赤にして声を上げる僕に、皆は一瞬唖然としたあと、大声で笑い、テーブルは笑いに包まれた。解せない。
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
